UXデザイナーを志すきっかけになったフーマーフレッシュとは
こんにちは、ののやまこうじです。
私は2021年10月に株式会社サイバーエージェントに入社し、DXDesign室でUXデザイナーをしています。
サイバーエージェントにはちょっと変わった経歴を持つ人がたくさんいますが私自身もまぁまぁ珍しい転身をしており、そのきっかけとなった盒馬鮮生(フーマーフレッシュ)について書こうと思います。
前職で何やってたの?
前職では店舗を中心に扱う空間デザイナーでした。13年ほど在籍していたのですが、そのうちの8年間は中国に駐在していました。
盒馬鮮生(フーマーフレッシュ)って?
ひと言でまとめるなら「店舗型ネットスーパー」です。2016年に誕生、アリババが出資しています。店舗での買い物もできるし、アプリで注文すれば30分ほどで自宅まで配送してくれます。
自分は運良く配送圏内に住んでいたため試しに使ってみたのですが、あまりにもよくできていて結果的に日常の買い物はほぼすべてフーマーフレッシュに置き換わりました。
フーマーフレッシュについて解説しているサイトはたくさんありますし、語りだすと止まらないので詳細は省きますが店舗づくりをしていた自分にとってフーマーフレッシュの登場は本当に衝撃でした。
なぜ日本で同じビジネスモデルが成長しないのか
日本ではなかなか普及しないネットスーパーというビジネスモデルですが、フーマーフレッシュは2022年に黒字化を達成しています。
そんな素晴らしいものが海外で生まれたなら日本でも真似すれば良くない?と思ったりもしたのですがこれがそうもいかない。その理由を自分目線ですが簡単に解説をします。
①人材の構成が違う
中国は広大な国土や戸籍制度の影響もありいわゆる「出稼ぎ労働者」が都市部にはたくさんいます。彼らは専門的なスキルを持っていないことが多く人材流動性も非常に高い(すぐ辞めるけどすぐ集まる)のが特徴です。
フーマーの配送業務は全てアプリに従っていれば誰でも完遂できるようになっています。そのため店舗はオープン初日から大量の注文を捌くことができ、お客様からの悪い評価がたくさんつく配送員は解雇して入れ替える、といった循環を生み出しています。教育・管理コストを削減しながら社会に溢れる人材をうまく使っている、といった感じがします。
②人件費が違う
所得の分布が日本と中国では全く異なり日本人より高い給与の人もたくさんいますが①に書いた出稼ぎ労働者はかなり所得が低いです。年々上がってはいますが月給10万円以下で生活している人もたくさんいます。結果的に配送費がかなり安く、多くの人に受け入れられる値段で配送サービスを実現しています。
③都市計画が違う
とにかく人口が多く建物を大きくする必要があるため、都市部であっても歩く距離がとても長い。スーパーやコンビニへの距離もおのずと遠くなりがちです。これはラストワンマイルという中国社会の課題でもあり、シェアサイクルが普及した理由でもあります。
④住宅事情が違う
中国の都市部には戸建て住宅や1棟だけのマンションはほぼ存在しません。基本的にはマンション数棟を一括りにした「小区」というものがたくさんあり、小区ごとにグレードが異なります。つまり、ターゲットとなる中高所得者がひと区画にまとまって居住しているため配送効率がとても良いのです。
長々と書きましたが、なぜ日本で同じビジネスモデルが成長しないのかという問いに対する自分なりの結論は、フーマーフレッシュはユーザーだけでなく中国社会の事情も正確に捉えたビジネスモデルを構築しているからだと思います。
自分はこのことに気づいたあたりから日本の事情に合わせて日本にしかできないDXを見つけたい、そして日本が世界に誇れるDXを巻き起こしたいと思うようになります。
サイバーエージェントに転職、UXデザイナーとしての転身
ということでDXの仕事をするべく2021年にサイバーエージェントに暖かく迎え入れていただきました。当然ながら空間デザインの業務はないため、どんな職種に就こうか紆余曲折ありましたが現在はUXデザイナーに落ち着きました。空間デザインは平面図やパースを見ながら利用者のことを想像し、誰が何を見てどう感じ、どのように行動するのかを考えながら設計を進めていきます。これは体験を作るプロセスにも似ているため、これまでユーザー目線でものづくりをしてきた経験が活かせそうだなと思ったのがきっかけです。
この記事を読んで日本が世界に誇れるDXを巻き起こしたい!とおもったあなた、ぜひ一度話しましょう!
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