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日々のアレコレ

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ヴェネツィアの夢・海馬の夢

前々回、前回に続いて、馬場駿吉先生の『海馬の夢〜ヴェネツィア百句』を味わっています。 【芸術】 ヴェネツィアは数々の文学、音楽や絵画などの舞台となってきました。馬場先生も芸術に関する多くの句を詠んでいます。 20世紀を代表するロシアの作曲家、イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971年)。名前は知っているのですが、私が思い出すのは代表曲のバレエ音楽『火の鳥』くらいでしょうか。 『火の鳥』はパリ・オペラ座で初演され、大成功を収めたそうです。その後 各国で演奏会を開くた

紫陽花とカーニバル 〜ヴェネツィア〜

医学博士であり、元名古屋ボストン美術館・館長という経歴を持つ馬場駿吉先生が、滞在したヴェネツィアで詠んだ俳句・100句(イタリア語訳も併記)を収録した本、『海馬の夢』。 前回、気になった句をいくつかご紹介しました。 とても素敵な装いの本に綴られた俳句が、私を一気にヴェネツィアに連れて行ってくれたのです。 しかし。ヴェネツィアどころかイタリアにさえ行ったことがない私。 「ヴェネツィアは、カナレットが描いた通りの街だったよー」 と以前友人が語っていたのを思い出したので、行くか

『海馬の夢』 とヴェネツィアの俳句

古本屋さんに並んでいた一冊の本、 『海馬の夢』(深夜叢書社)。 「私の本だ!」と即 購入しました。 実は「海馬」という単語、いえ、その “字” に執心していたので、ろくに内容を確かめることなく持ち帰ったのです。 *************** どうして私が「海馬」というタイトルだけ見て、即購入したか・・・については本筋から離れるので、この記事の最後に書きます。お時間ある方だけお読みください。 *************** 何について書いてあるのかよくわからないまま

レイレイとハオコ。動物園と美術館

前の職場を辞める直前にLINE交換をした元同僚のNさん。 その時 初めて彼女が熱心なパンダウォッチャーであり、上野動物園の年間パスポートを持ち、動物園に通うために最寄りの職場=美術館を選んだことを知りました。 「動物」と「西洋絵画」・・・対象こそ違えど私と似てる(笑。 「えーーーっ!双子ちゃんをまだ見ていないのですか?二人が別々の部屋に移ったことも知らないのですか?」と驚いたNさん。 「ご案内するので、ぜひご一緒ください!」とスケジュールを決めてくれました。 ******

寂しい別れと、ワクワクな明日

全くの私ごとですが、4月いっぱいで美術館の仕事を辞めて、5月から「普通の」会社に勤めるべく就職活動をします。 「現実社会」に戻ることにしました。 ********** 2017年5月、ピーテル・ブリューゲル『バベルの塔』に出会い、突如 絵画鑑賞の面白さに気付かされました。いくつもの美術展に出かけ、何冊も美術本を読むことに夢中になるだけでなく、それまでの仕事を辞めて美術館で働き始めたのが2018年6月。 それまで全く美術と関係のない生活を送ってきた私の仕事は、正規の職員で

コロンボ好き

うちの旦那さんは『刑事コロンボ』が好きです。 「別に好きなわけじゃないよ」 と本人は言いますが、テレビの再放送があるたびに録画して見ています。これまで何回も見ているはずなのですが。。。 そしてつい最近も4Kで再放送されていました。 「細かいことは忘れてるんだよねー。」と楽しそうです。 一度見たらすぐに録画を消し、次回の再放送があるまで見直すことはありません。録画を削除した途端、ドラマ細部の記憶も消えてしまうようです。 旧シリーズ45話と新シリーズ24話、合わせて69話(

Instagram と使える英語

朝の通勤電車で見ているのは、フォローしている美術館の Instagram。 訪れたことのあるパリの美術館🇫🇷や、行ってみたい海外の美術館が多いので、楽しむのはもっぱら写真や映像だけです。発音することすらできないフランス語・イタリア語や、十分に理解できない英語の文章はほぼ流しています。 そんな中で英語表現に注目しているのが国立西洋美術館🇯🇵のInstagram。 画像の説明「日本語」とその “英語訳” がついているのです。 ********** 去年の10月。いつもの通り軽

2024年に。「いろは歌」で振り返る(2)

一年間に投稿した[note記事]や、 訪問した<美術展> を中心に2023年を「いろは歌」で振り返っております。 前回「い・ろ・は・に・ほ・へ・と・ち・り・ぬ・る・を・わ・か・よ・た・れ・そ・つ・ね・な・ら・む・う」 と半分まで来ておりますので、今回は後半戦です。 ********** 「ゐ」 Instagram の投稿に刺激を受けて、いくつかの記事を書きました。 フォローしているのは、訪れたことのある美術館(ルーヴル、オルセー、オランジェリー、ピカソ、ロダン、ドラクロワ

2024年に。「いろは歌」で振り返る

「い」つの間にか2024年。 2023年は前年(2022年)を「いろは歌」で振り返る記事からスタートしました。 今年もまた「いろは歌」に頼るのは あまりにも芸がない!そして、お読みいただく方は退屈かも知れない!と考えました。 が しかし、満遍なく一年を振り返って、新たな気持ちで新年をスタートさせるツールとして「いろは歌」は最強なのであります。 ということで、今年もこの一年間に 投稿した[note記事]や 訪れた<美術展> を「いろは歌」に乗せて“サクッと”振り返りたいと思い

‘ そういえば… ’。夢の祭典 × 2

‘ そういえば… ’ 。 来年2024年の夏はパリ・オリンピックです。忘れてました。 時折、イタリア → フランス美術館巡りの旅行に行きたい!という思いに駆られるのですが、「そうだ、今はその時期じゃない」と思い止まる要因となるのがオリンピック開催。 4年前に訪れたパリは、隅から隅まで歩き回れるぞ!と思えるほど名所がギュッと集中した街。また石畳や坂も多くて、エスカレータやエレベータの設置されていない階段だけの地下鉄駅も多かったのです。何より公衆トイレが少ない! そんな印象を受

年に一枚の [チケット]

一年に一度 (あたり前ですが) の誕生日。 旦那さんへのお願いごとは 豪華なディナーでも 旅行でもありません。 +++++++++ 数年前までは、お気に入りの古着屋さんで  [好きなだけ洋服を購入する チケット] を発行してもらっていました。 “好きなだけ” と言っても、一応 合計金額に当たりをつけて、計算しながら買い物カゴを山盛りにしていきます。普段 自分では絶対に購入しない洋服もこの日ばかりは「えいっ」と放り込んで。。。 帰宅したら始まるのがファッションショー。 次

アーティスト ・ 藤井聡太 八冠

昨日(2023年11月7日)ニュースを見ていたら、 「八冠を達成してこれから何を目指すのか?」と質問された藤井聡太 八冠が、 と回答していました。 そうか、彼は表現者 = アーティストなのですね。 多くの人が、彼のプレイやパフォーマンスに惹かれる理由がわかりました。 〈終わり〉

藤原伊織とハードボイルド

「古本でいいから藤原伊織の小説を買って来て!」と母からリストを渡されました。久し振りに聞いた “藤原伊織” 氏のお名前。そして、 『テロリストのパラソル』がまた読みたくなりました。 *************** 幼い頃〜学生時代 そして20代と、じっとしていることが出来ない根っからの遊び人だった私は、読書が苦手でした。 しかし上京してから一番のストレスになった電車通勤で、他人を気にせず平静を保つ手段として小説を読むようになりました。 手始めに購入したのが直木賞、芥川賞、

“自撮り” と 【自画像】

(徒然草 風に) 心にうつりゆくよしなごとを、そこはかとなく考えていました。 =思い浮かんだことを、結論に導くこともなくダラダラと考えていました。 ********** 身内に ‘男の子’ が生まれてから、親族間で[みてね]というアプリを通して ‘彼’ の写真や動画を共有して楽しんでいます。 見たいと思った人が 見たいと思ったときに、アルバム感覚で ‘彼’ の成長を確認できるなんて、最近のアプリは便利ですね。 それにしても、常にコチラ(私の方)を向いている ‘彼’ に