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Instagram と使える英語

朝の通勤電車で見ているのは、フォローしている美術館の Instagram。
訪れたことのあるパリの美術館🇫🇷や、行ってみたい海外の美術館が多いので、楽しむのはもっぱら写真や映像だけです。発音することすらできないフランス語・イタリア語や、十分に理解できない英語の文章はほぼ流しています。
そんな中で英語表現に注目しているのが国立西洋美術館🇯🇵のInstagram。
画像の説明「日本語」とその “英語訳” がついているのです。

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去年の10月。いつもの通り軽い気持ちで画像を見ていたら飛び込んできたこのフレーズ。

◉「芸術の秋!」→
  “ Autumn is in full swing! ”

国立西洋美術館Instagramより

日本語とその英訳、厳密にいうと両者は違っているのですが、いずれも私の気持ちにぴったりフィットするワード、そして なんて素敵な英訳なのかしら✨。
私が一番好きな季節に雄叫おたけびをあげたくなる「芸術の秋!」というフレーズを、もし英語で( It’s autumn of art!)と話したら、興奮した気持ちは全く伝わらないですからね。
去年は何度か この “Autumn is in full swing! ” を使わせてもらいました。

◉「今年も残すところあとわずかとなりました」→
 “ The year-end is just around the corner! ”

「今年も残すところ、あとわずかになりましたねぇ」は、私が12月に連発する言葉。これを自分で英訳したら( Only a few days left this year.)
うーーーっ。
何ともつまらない英語表現💦。テンションが下がります⤵︎。
それに引き換え、12月の挨拶として伝えたい気持ちを勢いよく表現した英訳
“ The year-end is just around the corner! ”
を見て、何だか楽しくなってきたのです。

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実はこれまで何度か、Instagram に投稿されている英語表現を自分なりに日本語に訳して勉強しようと試みましたが、どうもしっくり来なかったのです。

そもそも日本語と英語は、それを使用する人たちの置かれた環境や文化・習慣が全く異なるのであるからして、全てを直接[言葉]として訳してもあまり意味がないのかもしれません。それよりも、[感情]を共有できるように表現することが一番なのですね。
きっと国立西洋美術館のInstagram 担当者は、ご自分の[感情]を 日本語・英語のどちらでも完璧に一致させることができるバイリンガルに違いありません。

ふむふむ。[感情]を共有する時に、我々日本人がしっくりくる[言葉]と、海外の方に伝わるワードは違っていて当然。。。そうだ!英語の勉強も[言葉]よりも先に[感情=気持ち]なのだ!
と、また勝手な解釈をして英語の勉強に対する意欲を湧き立たせるのです(笑。

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国立西洋美術館の Instagram から、いくつかピックアップしてみました。

◉「昼下がり、心地よいひとときを楽しんでいますか?」→
   “Feeling a bit drowsy this afternoon?”

英語の直訳(午後は少し眠いかしら?)
… 表現は違えど、まったりした時間を過ごしている人に ちょっと声をかけるときの呼びかけの挨拶ですね。

◉「暑い日が続きますね」→
  “We are having very hot days in Tokyo! ”

英語の直訳(東京ではとても暑い日が続いている!)
… 寒い南半球でこの Instagram を読む人もいるわけで「in Tokyo」と加えるところがニクイですね。
この〈読み手の立場になって表現する〉ことはどんなシーンにおいても重要なのですが、なかなかできないことです。

◉「気がつけばもう年末ですね」→
    “Time flies and it is already the end of the year.”

… 「気がつけば」を “Time flies” と。
「気がつけば」は私もよく使用する言葉。そして英語圏の人も “Time flies” は使用頻度の高いワードなのでしょう。

◉「今年もあとわずかとなりました」→
 “It’s Christmas Day today and the year-end is just around the corner!”

2023年12月25日の投稿

英語の直訳(今日はクリスマス、年末はすぐそこまで来ています!)
… わざわざ英語訳に “It’s Christmas Day today” をプラスしています。
クリスマス・イヴで最高に盛り上がった日本の人々にとって、12月25日と聞けば「もうすぐ年末、お正月」。
これに対して、Christmas Day を最も重要な一日と考える文化では、12月25日に “Christmas” は絶対に外すことができないワードなのです。

◉「本日はクリスマスにちなんだ作品をご紹介します」→
 “Today, let us show you some works perfect for the Season to Sparkle.”

英語の直訳(本日は、キラキラ輝く季節にぴったりの作品をご紹介しましょう)
… 「バレンタイン」や「ハロウィン」と同じイベントの一つである「クリスマス」は「クリスマス」以外の言葉で表現できないでしょ、と簡単な単語で片付けてしまう日本。
しかし欧米の方々にとっては、とても意味深い大切な “Christmas”。それぞれの人がいろいろな思いを持っているのです。
the Season to Sparkle” とは素敵な表現です。

◉「早くも12月ですね!ホリデーシーズンに胸を躍らせる方もおられるのではないでしょうか」→
  “Happy first day of December! As the weather turns colder, some of you are perhaps looking forward to Christmas! ”

2023年12月1日の投稿

英語の直訳は(12月初日、おめでとう!寒さが一段と厳しくなり、クリスマスを心待ちにしている方もいらっしゃることでしょう!)でしょうか。
… 同じ12月1日でも、日本人にとっては、1年最後の月の始まりは「早くも12月」になってしまった!なのですが、欧米の人にとっては、クリスマスの準備をスタートできる大切な12月1日がやっと始まった!“Happy first day of December!” なのかもしれません。

そして「早くも」と少し焦り気味の日本人には「ホリデーシーズンだよ」と前向きな言葉を、
おめでたい」と少し浮かれ気味の人には「寒さが一段と厳しくなるよー」と注意喚起の文章を続けることまで意図しているならば、これは天才としか言いようがありません!!。

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いやぁ。楽しいですね。
「今年こそ集中して英語の勉強をやるぞ!」と何回誓いを立てたかわからない事をまた誓うのであります。
ひとまず、ここに投稿した表現は自分のものにします!。誓います!!!
 
ただし。
国立西洋美術館のInstagramは、国立の美術館として真面目でお堅い内容の記事が95パーセント。そしてきっちりした英訳がほとんどです。

<現代美術展>2024年3月12日(火)〜5月12日(日)
<内藤コレクション展>2024年6月11日(火)〜8月25日(日)
<モネ 睡蓮のとき>2024年10月5日(土)〜2025年2月11日(火)

なので、今回ご紹介したような私が「使える!」と思える英語表現を見つけた朝はラッキー✌️。とても得した気分で1日を過ごしています。

国立西洋美術館 Instagram より

国立西洋美術館さん、私が日常で使えるような楽しい挨拶文をドンドン投稿してください!と願って止まないのです。

〈終わり〉

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