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年に一枚の [チケット]

一年に一度 (あたり前ですが) の誕生日。
旦那さんへのお願いごとは 豪華なディナーでも 旅行でもありません。

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数年前までは、お気に入りの古着屋さんで
 [好きなだけ洋服を購入する チケット]
を発行してもらっていました。
“好きなだけ” と言っても、一応 合計金額に当たりをつけて、計算しながら買い物カゴを山盛りにしていきます。普段 自分では絶対に購入しない洋服もこの日ばかりは「えいっ」と放り込んで。。。

帰宅したら始まるのがファッションショー。
次々に着替えて隣の部屋でテレビを見ている彼の前に「ジャーーーン」と登場するのです。
「かっこいい!」と気に入ってくれることもあれば、
「ちょっと丈が短すぎない?」とか「それ、どんなシチュエーションで着るの?」とちょっと辛口のご指摘もいただきます。
「えいっ」と放り込まれた服は、やはりあまり着る機会がなかったです。

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私が興味の対象をファッションから【絵画鑑賞】に大きく舵を切ってからは、お気に入りの古本屋さんで
 [好きなだけ美術本を購入する チケット]を発行してもらっています。
そしてこれには欠かせないもう一枚、
 [購入した古本を家まで持ち帰ってくれる チケット]
もつけてくれます。

本棚に美術本が一冊もなかった5年前は、「ルーヴル美術館展」「エルミタージュ美術館展」「ルネサンス絵画」といった有名どころの美術展の図録や初心者向けの美術解説書を見つけてはせっせ、せっせとレジに運んで、二人でぱんぱんのリュックをヒーヒー言いながら持ち帰っていました。
当時(5年前)は一冊の値段も安かったのですよ。少し古臭い見てくれの美術館 図録は200-300円、500円の値札も多く見かけていました。

見る作品、読む解説 その全てが初めてづくしで、貪るように片っ端から読み漁っていたものです。

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先日、2023年の[チケット]を使いました。

古本屋街に行ってみると あら、また値上がりかしら?。
2023年の相場は、古臭いシミがついたような美術展の図録が500円。通常の図録は1500円のものが多くて、プレミアムの付くような図録は、当時の値段より高い3000-4500円という品もあります!。とても私には手が出ません。
その代わり(?)、古本屋さんから自宅に購入品を送ってくれるサービスがあるため、持ち帰る古本の数がグッと減りました。
これから年々、重たい荷物が腰痛に応えるであろう我々はとても助かるのです。

我が家の本棚に結構な冊数の図録や美術本が並んでいる 2023年。 
今回購入したのは、古い図録やちょっと珍しい図録、そしてニッチな美術本たち16冊です。
「ドーミエ展」「ヴァン・ダイク展」「ペルジーノ展」「モンティセリ展」… ちょっとマイナーでしょ?。
「ヴィクトル・ユゴーとロマン派展」「ドビュッシー 音楽と美術」「版画とボードレール」… アートの掛け合わせ、これは私が好きな分野です。
そして探していた「アンドレ・ドラン展」の図録も見つけました。嬉しい!

一気読みすることはないのですが、特定の画家について理解を深めたいときや、何かのテーマについて知識を広げたいとき、部屋中に図録や解説書を何冊も広げて、見て、調べて、考えて、想像して、楽しみたいと思います。

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新しい仲間になった16冊を並べて眺めるだけでワクワクしてきました。
毎年[幸せのチケット]をプレゼントしてくれて ありがとう!。

<終わり>


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