ボルネオ先住民流、猪肉の食べ方
こんにちは。ボルネオ島の民芸品店を営んでおりますラヤンラヤンと申します。毎週金曜日にマレーシア・ボルネオ島に暮らす先住民ドゥスン人の村での暮らしを紹介させていただいております。
熱帯雨林に囲まれた山奥に暮らすドゥスンの人々は、焼畑で米や野菜を育て、川では淡水魚を取り、山では野生動物を狩り生活しています。以前の記事で、村のイノシシ猟についてお話させていただきましたが、今回は猪肉の調理法について紹介させていただきます。
山で獲れたイノシシ。足や胴体、頭部に分け、火に炙って毛を落としていきます。これを繰り返し、調理用に小さく捌いていきます。ボルネオ島の村では、どのように「猪肉」をいただくのでしょうか。
やっぱりバーベキューは、素材の味を楽しめますよね。新鮮な猪肉をそのままバーベキューにし、みんなでつまめるように細かくカットします。村ではよく、とうがらし醬油につけて食べることが多いです。写真の右下にある青いボウルに入った黒いソースが、とうがらし醤油です。醤油は、マレーシアのサバ州民(サバハン)の大好きな「キチャップマニス(kecap manis)」と呼ばれる塩味のない甘いドロッとしたお醤油です。サバ州では、どの家庭にも常備されているであろうローカル醤油です。
それ以外にも、ニンニク・エシャロット・唐辛子をみじん切りにして、カストゥリ(カラマンシー)を絞ったソースにつけてもさっぱりして美味しいです。カラマンシーや唐辛子は、お家の周りで栽培していることが多いので、食べるたびに収穫しています。
こちらは肉の部分だけを細かくカットして、生姜と「キチャップマニス」で煮たものです。ボルネオ島の先住民ドゥスン人の方々も、ごはんのお供に生姜を加えた醤油煮を食べています。日本人のお口に合うとても美味い味付けです。熱帯の山奥にいても、ほっこりと安心する味です。
頭骨や骨の部分は、鉈で大胆にカットし、スープにします。薪で火を起こして、大鍋でぐつぐつ骨を煮込みます。以前は電気が不安定で冷蔵庫がなかった村でも、温め直して数日食べられます。イノシシの頭部は煮込んだら、お皿に取り出して、みんなで頭部についているお肉をつまむのが定番です。頭部を割って髄も食べます。
内臓もきれいに洗って食べます。写真は、イノシシのレバーです。こちらも「キチャップマニス」と唐辛子で煮込んでいますね。腸やレバーは骨と一緒にスープにすることもあります。
これらの調理法だけではなく、皮の部分は揚げたり、また保存用に燻製にしたり、長期保存用にはお米と発酵させたりしています。ボルネオ島の大学院に在学していた頃、村のお母さんが大学のある町の家に帰る時に猪肉の燻製をよく持たせてくれました。
山で獲れた自然の恵み。余すことなくいただきます。ボルネオ島の山奥に暮らす中で、ニワトリやイノシシ、豚やスッポンなど様々な生き物がその場で捌かれるのを見てきました。いのちをいただくこと、食べることのありがたみを深く感じました。