【アラフィフエッセイ】No.1 久々に楽しんだ気がする。
少し前、現代の日本で一番注目されているであろう、
将棋の対局を観に行きました。
① 一生の運を使った。
たまたま、夫が対局の前夜祭や解説会への応募方法を知り、
ダメ元で応募したのです。
すると、前夜祭・対局初日・対局2日目すべてが当選!
一生分の運を使った印象・・・
夫に報告しながら、まさか全部当たるとは思わなかったため、
どうしよう?と相談したのでした。
『こんな機会ないよ。〇〇も喜ぶし、いい想い出になるじゃん。』
確かに。
息子は将棋が大好き。
クラスのお楽しみ会に
『みんなで将棋をしよう!』
と無邪気に提案するほど将棋が大好き。
そして、
『そんなの無理~』
と断られ、残念がって帰宅するほど、将棋ひと筋。
『一生の想い出を作りに行こう!』
息子と2人で行くことにしました。
② 将棋は楽しいけど、センスなし。
私はかれこれ数年間、自分なりに将棋を特訓中です。
夫が子どもたちが幼い頃に将棋を教え、
その後子どもたちの相手をするために
私は必死に駒の動きを覚えた経緯あり。
将棋ゲームを手にしたものの、
どんどん昇級する子どもたちに置いてきぼりに合い、
ひたすらCPU相手に奮闘し続ける私。
テレビの将棋対局を観て学んでも、
ちっとも反映できない。
だけど、次はどんな手があるかと
考えるのは楽しいのです。
残念ながら、
私は将棋は楽しいけれどセンスはないのだと
感じています。
③ 前夜祭も良い経験に。
前夜祭は、名だたる方々がお越しになり、
小学生の息子にはちょっとお堅い雰囲気だったかもしれません。
でも、息子の方をチラッと見ると、
ものすごく集中して皆さんのお話を聞いている様子。
一字一句聞き逃さないような真剣な顔でした。
へぇ~、こんなに集中するんだ~。
私が知らなかった息子の一面を垣間見ることができ、嬉しかったです。
しかも、皆さんのお話が面白い!
棋士の方は寡黙そう、という私の偏見を払拭するほど
話術が凄い。
やっぱり頭の回転が早いからなのか、
こころを掴むのが上手なんです。
大人ばかりの空間とはいえ
同じテーブルの方と雑談をしながら、
楽しいひと時を過ごすことができました。
息子にとっても
私にとっても
良い経験となりました。
④ 解説会は楽しい!
こんなに将棋が楽しいとは知りませんでした。
解説の先生方がユーモアたっぷり解説をしてくださる上、
棋士の方々の日常をポツリと小話してくださるので、
将棋がとても身近に感じられました。
しかも、臨席するお着物でいらした方が
解説会の常連のようで、プラスαのお話も聞けてなお楽しい。
見知らぬ方と将棋を通じて対話ができるって素敵ですよね。
それに加え、息子は私の予想に対して冷静なコメントをくれるのです。
自宅で対局すると
『あ~、ママ悪手だよ。』
『まだ投了するのは早いよ。詰みにできるよ。』
『もったいない。今のは詰みを逃したよ。』
などと、何やら騒々しくなるもの。
けれども、ここでは先生方の解説を聞きつつ、
息子のコメントも落ち着いて聞ける。
そこには、
甘えん坊の息子の姿はなく、
将棋大好きな少年の姿がありました。
成長した息子を見る機会となりました。
⑤ 棋士の凄さを目の当たりにした。
そして何より、棋士の集中力の凄さを目の当たりにしました。
今回の対局は、持ち時間が8時間でした。
8時間も使うのかな~??
素人の私は思っていました。
でも、本当に1手に90分などの長考をされるのです!
凄くないですか?
中継画面を見ていると、
本当にずーっと考えているのです。
もちろん、私語はしません。
それだけ一つのことを考えられるって、
将棋は
精神力も身体力も酷使されるものですね。
何十手先まで頭の中で考えて、選択する。
その上正確さも求められます。
まさに超人的。
息子は食い入るように観戦していましたが、
私は棋士の姿に感心ばかりしていました。
ある先生が色紙に
『一手入魂』
と書かれていましたが、その通り。
画面越しながら
一手指すごとに真剣勝負なのだと
緊張感がひしひしと伝わりました。
本当に素晴らしかった。
対局されたお二人、
そして関係者のみなさま、
本当にありがとうございました。
⑥ 親子で共有した、貴重な時間。
今回、一生分の運を使った印象ながら、
それに値する
親子で貴重な時間を共有することができました。
息子は思春期に入っています。
もしかしたら
来年や再来年だと
親子での外出を避けるようになるかもしれません。
今、このタイミングでラッキーだったと言えます。
夫が応募方法を見つけたのもラッキー💛
当選したのもラッキー💛
息子と共有できたのもラッキー💛
将棋を楽しめたのもラッキー💛
この偶然の重なりに感謝しかありません。
当初、私は『息子の付き添い』の立場で向かいました。
でも、すっかり
『将棋を楽しんだひとり』になっていました。
日頃、何かと
母として、妻として
行動しがちですが、
『自分も楽しむこと』が大切
だと感じました。
私もアラフィフ世代になりました。
こんなに楽しんだのは久しぶりのような気がします。
将棋は下手でも充分楽しめました。
息子の成長も垣間見ることができました。
行って良かった~。
ありがとうございました。