美味しいカヌレ完全ガイド
いつもフランス料理ロドゥラのnoteをご覧いただき誠にありがとうございます。
今回は究極のレシピシリーズのpart3、
『カヌレ』
の美味しい焼き方をご紹介します。
カヌレは非常にシンプルな焼き菓子なのですが、そのシンプルさゆえに美味しい状態を作り出すのが難しい上級者向けのお菓子で、レシピや技術面よりもそれ以外の条件が難しいので、今回は究極レシピではなく完全ガイド、というタイトルにしてみました。
なので今回は以前までの究極レシピと違い、そこそこの条件が整っていないとプロの味を出すことはできません。
逆に言えば条件さえ揃っていればプロの味が出せるようにいつものごとくクッソ細かくポイントを書いております。
多少試作をこなす必要はあるとは思いますが、様々なお客様から大絶賛していただいている自信作となっておりますので『さあいまからカヌレを焼くぜ!』という方は読んで損は無いと思います。
この記事には美味しいカヌレを焼くための私が持っている知識を全て詰め込んでありますので是非、お菓子作り大好きっ子もプロの方もこれを読んでカヌレを作ってみてください。
美味しいカヌレを作るために必要なもの①カヌレ型
カヌレ型には様々な種類があります。
もちろんどの型を使用してもカヌレは焼けるのですが、それぞれ良いところも悪いところもあり、焼き方や扱い方も違うのでしっかり自分が求める条件を考えて選びましょう。
この『美味しいカヌレ完全ガイド』ではあらゆる型のタイプに対応できるように細かく焼き方を載せていますが、中でも一番おすすめの型はなんといっても『銅製の型』です。
カヌレの魅力は外側の香ばしい食感と香りと、内側のもちもちとした独特の食感との対比にあると思います。
そしてその対比を生み出すためには熱伝導の良い型を使用することが大きなポイントとなってきます。
カヌレ型は一般的に
【銅製、ステンレス製、シリコン製】
の3つの材質のものがありますが銅製の熱伝導率が圧倒的です。
ステンレスも金属なのでそれなりに熱伝導率はいいのですがやはり銅製には及びません。
とはいえ『じゃあ銅製一択やんけ!』となるほど単純なものでもありません。
型の選び方については下でまとめてありますのでそちらをご覧ください。
【銅製の型の特徴】
上記の通り、美味しいカヌレを焼きたいなら迷うことなく銅製を使用するのがおすすめです。
熱伝導率が良く、綺麗にパリッと焼き上げることができます。
ただ味の面では完璧ですが、この型は大きな問題を抱えています。
それはこの型の値段です。
銅製の型はサイズにもよりますが1個あたり1,500~2,500円ほどします。
果たしてカヌレしか焼けないこの型にこれだけのお金を使えるのか、という点がこの型最大の問題ですね。
なのでこの型はお金に糸目をつけず只々美味しいカヌレを焼きたい!という方向けのカヌレ型となっております。
【ステンレス製の型の特徴】
このステンレス製の型は銅製には劣るものの、それなりに熱伝導率が良く、香ばしく焼き上げることができます。
値段も銅製に比べるとリーズナブルで1個500~1,000円ほどで購入できますし、1個ずつ独立している型ではなく12~15個ぐらい一気に焼ける型も3,000円前後で買うことができます。
ただやはり銅製に比べると焼きムラができやすかったり、油が馴染むまでかなりくっつきやすかったりもするので、やや上級者向けかもしれません。
なのでステンレス製を使う場合は内側がテフロン加工されているものを使うのが楽ですね。
テフロン加工されたものはミツロウを使わずとも綺麗に取り出せますし扱いやすいです。
まとめるとステンレス製は、銅製よりも性能はやや劣りますが値段はお手頃、テフロン加工されたものを使えば取り扱いも楽なので、もし銅製ではなくステンレス製を購入するならテフロン加工のものが楽でいいかもしれません。
【シリコン製の型の特徴】
シリコン製は一番取り扱いが楽で値段もクッソお手頃です。
しかしながら熱伝導率が金属型に比べるとかなり低く、外側をしっかり固く香ばしく焼き上げるのが非常に難しい型です。
味の面はやはり金属製をおすすめしたいところですが、シリコン製の最大の魅力はやはり手軽さです。大体15~20個焼ける型が2,000円前後で手に入ります。
そして焼成にミツロウも使いませんし、洗うのも楽です。
今回はシリコン製の型の焼き方も載せてありますのでとりあえず安く手軽に始めたい、という方はシリコン製の型を選ぶと良いでしょう。
ただひとつ注意点がありまして、それはシリコン製の型は熱伝導率の低さゆえ、オーブンの性能がそれなりに無いと美味しく仕上げるのが難しいです。
温度があまり上がらないオーブンを使用されている方は多少高くとも金属型の方が美味しく焼けると思います。
美味しいカヌレを作るために必要なもの②オーブン
ご存知の通りカヌレはオーブンを使用して焼成しますが、オーブンならなんでも良いというわけではありません。
絶対条件として必要なのは、
【庫内の温度が最低でも230℃まで上がること】
です。
ご家庭にあるオーブンなどでは230℃という温度調節目盛りがついていても実際はそこまで上がっていない場合もあります。
とくに家庭用のオーブンレンジ、オーブントースターなどは熱の回りも非常に悪く、カヌレを綺麗に焼くには適しません。
なのでおすすめは庫内で風が対流して素材を均一に加熱できるコンベクションオーブンです。
もちろんこのコンベクションオーブンも値段やメーカーなどによってスペックは様々ですが、庫内温度計などを使用して庫内温度が230℃まで上がっているものでしたらとりあえずはそれなりのクオリティで焼くことができると思います。
というわけで本題のレシピまでクッソだらだらと語ってしまいましたが、ここからようやくレシピと焼き方の紹介をしていきます。
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