短歌仏訳 No.02 | 笹井宏之さん
引き続き、おみそさん(@omiso_tanaka)紹介の詩を翻訳したい。今回は笹井宏之氏の一句。
翻訳諸々、経緯はこちらから👇
Je continue la traduction de mini vidéo d'Omiso san. Si vous intéresse le détail d'atteindre de travailler sur la traduction et le choix de ce vidéo, celà serait ci-dessous.
Le poème que je traite aujourd'hui a été écrit par Hiroyuki SASAI.
(ネイティブではありません。もし単語にミスが有ると思われたらご一報ください / Je ne suis pas native, veuillez me rappeler s'il vous plaît si vous trouverez des fautes d'orthographe.)
仏語バージョン / version française:
主語について:
この詩には明確な話し手が存在しない。(そりゃしないでしょ、日本語なのだから!)。否、勿論するのだが、文の中に【私】や【貴方】などといった話し手を指す言葉が登場しない。前回1度目でも話した通り、外国語は誰が話をしているかはっきりさせていることが多い。私の発言はこの“私”の意見なのか、大衆の意見なのか。勿論ふわっとした表現はあるものの、日本語ほどすっかり抜かしても通じる言語も少ないのではないかと思う。誰が誰へ書く文なのか、なあなあでも通してくれるが日本語、ハッキリさせたいのがヨーロッパ言語の特徴ともいえる。
今回の主語の選択肢は2つ、【Tu】と【Vous】である。【Tu】はかなり砕けた表現、【Vous】は逆に丁寧な場合の貴方、もしくは複数の人、所謂敬語として使うことが多い。
さてさて、「くださいね」と言うからには敬語か?しかしこの柔らかい気兼ねのなさを表すならやっぱりタメか?
ー「 総合点を問う」
それぞれの言葉に丁寧度、があると思う。
より丁寧な敬語に近いのか、どちらかというとフランクな言葉なのか。
例えば【Tu】なら【Vous】より低め。【Vouloir】【Souhaiter】【Désirer】なら今この順で左から右へと高くなっていく。
今回の詩の中で、【良かったら】と【ください】はかっちり感のある語彙だ。そして最後の【ね】が文をふんわりさせている。
というわけで、訳には、個人的に数値高めかつ重めの【désespérer】を置く。緩めの【vouloir】と【tu】と合わせることでバランスを取る。
イメージはこんな感じ。
5【良かったら】+ 5【ください】- 2【ね】
12【désespérer】- 3【vouloir】- 1【tu】
どちらも答えは同じ8。私の中の感覚で、大体同じ、バランスの取れた重さになる。
さて、これは優しい詩なのだろうか?
聞いてあげる、抱擁感…。ちょっと脅迫めいていない?
私はどうやらおみそさんとは真逆の第一印象だったようだ。この、一つの詩から真逆の感想が出る、表裏一体さが面白い。
後を追う、と聞いて最初に思いついたのが死だった。
ジョンレノンの死を知ったファンが後を追って自殺を…の方の「後を追って」、だ。
こんなこと言われたら、余計絶望なんてできないじゃない。私に2人分の死の責任を擦り付けようってわけ?それともこれも何とか気力を保つための策なのだろうか。一線、踏みとどまるための?またまた乱暴な。
なんて。
考えすぎかな。
嗚呼でも、もうあとがない。しゃんとしなければ。
今回この詩を扱うにあたり、作者である詩人の笹井宏之氏を少々調べた。
そんな中で辿り着いたお気に入りのサイトがこちら。
銅版画家の小池結衣さんのギャラリーで、作品とともに笹井氏の詩が添えられている。
扱う大きなテーマの中に「死」がある気がした。もしかしたら一時ご病気だったという小池さんのチョイスかもしれない。
想像するものを一枚ふんわりした柔らかい布で包んだ外側のような詩。
中身は、私たちの想像するままに。
📍今回取り上げさせていただいたおみそさんの一分で短歌紹介動画 / Le lien du réel d'aujourd'hui:
📷写真について / Photo
写真はすべて筆者が撮影したものです / Tous les photos ont été prises par l'auteur.
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