エンジニアからプロダクトマネージャーへ転身し歩んだ25年のキャリア軌跡
プロダクトマネージャー北さんのキャリアを紹介します。
インターネット黎明期のワクワク感からエンジニアへ
小学生の頃からパソコンが好きで、大学では情報科学を学びました。
大学院に進学した1994年頃にウェブブラウザが現れてからは一気にインターネット利用者が増えて、インターネットプロバイダーなどの新しいサービスが生まれました。
当時は回線も細く、画像のやり取りをするのにも時間がかかるような時代でしたが、世界中と繋がっているものが手元にあるということが、衝撃的でした。
ITで世の中が変わりそうなワクワク感がある時代だったので「ITの仕事をやってみたら、できるようになるかもしれない」という思いで、ジャストシステムのエンジニアとしてキャリアをスタートしました。
しかし、新入社員研修ではあまり成績が芳しくなく、ITの仕事はそんなに甘くないという現実に直面しました。
配属先は、研究をして製品開発をするような部署の中の、Javaでサーバーサイドプロダクトを作るチームでした。
プロジェクト自体がチャレンジングで楽しく仕事していましたが、入社した年に、会社の方針変化などで様々な開発プロジェクトが見直されて、その部署は1年くらいで終わりを迎えてしまいました。
その後は、製品を開発するエンジニアを”サポートするエンジニア職”としての仕事を始めました。自然言語処理が売りの会社だったこともあり、コアである基盤技術をうまく製品に組み込んでいくための支援をしていました。
2年目になると周りの状況が見えてきて、全国から集まったえり抜きのエンジニアたちが活躍しているのを見たことと、ハイレベルな技術を追い求めていく会社の方針も相まって、周りと比べてしまいエンジニアとしてやっていける自信が無くなりました。
そんな時、ジャストシステム出身の先輩にサイボウズに来ないか、と声をかけていただき、エンジニアではなく、プロダクトマネジメントのポジションで転職することにしました。
決して技術職が嫌いなわけではなかったので、営業サイドと開発サイドの話が噛み合わない時にも、間に入って最終的に良い商品を作って届けていく立ち位置の仕事をやりたいという思いでの転職でした。当時はプロダクトマネジメントという言葉も一般的ではなかったのですが、自己流でもがきながらでもチャレンジしてみたいと思っていました。
エンジニアから転職してプロダクトマネージャーへ
転職先のサイボウズは当時、アルバイトの方も含めてメンバーが30人くらいで、上場直前でした。
入社して半年くらいは、社内のあちこちで人手が足りていなかったので、営業サポート・カスタマーサービス・広告の運用のサポートなど、幅広く仕事をしていました。
幅広く仕事をしたことで、会社の全体像をつかむことができました。
その後、会社のメンバーが増えたことで、本来のPdM(プロダクトマネージャー)としての仕事ができるようになっていきました。
サイボウズに入社後5年ほど経った頃、PdMとしての仕事に停滞感を感じていたところ、元サイボウズの方に、とある会社に来ないかとお誘いをいただきました。その会社の前任のプロダクトマネージャーの後任としてのポジションだったため、求められる場所でまた新しくチャレンジしようという気持ちで転職しました。
しかし、その会社ではプロダクトを売って収益を上げるというよりも販促ツール的な側面があり、プロダクトの立ち位置が特殊でした。
自分がやりたかったようなプロダクトの出し方ではなかったため、次の転職を考えるようになりました。
3度目の転職は、自ら転職活動してプロダクトに向き合える会社に
次の転職では、自分が思い描くプロダクトやサービスに向き合える会社に転職したかったのですが、当時はウェブサイトに自社の求人を出している会社は多くはなかったので、自分から探しにいくのは大変でした。そこで、求人をたくさん抱えている転職エージェントに頼ることにしました。
エージェントを使っての転職は、プロダクトマネージャーの仕事が当時は一般的ではなかったので、自分がしたい仕事内容がうまく伝わらず、苦労しました。
エージェント側もどういう求人を回したらいいのか分からない感じだったので、「製品企画」のような関係ありそうなワードをいくつか出して「関係ありそうな求人をたくさんください」とお願いして、1回に20件くらい目を通して近い求人をピックアップしていくことでエージェントさんとすり合わせをしていきました。
結局は、具体的なポジションではなく、オープンポジションで会社や事業に興味があれば応募できる求人を回してくれるようになり、会社情報を見て面白そうなところに応募していきました。
3ヶ月くらいで、面接を受けたのは5社ほどでした。会社として固まっているフェーズの規模のところよりも、ベンチャー企業の方が自分に合っていそうだと面接しながら気づき絞っていった感じです。
結果として、転職したのは株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)でした。当時は、社員が200人くらいの頃でした。
入社後に驚いたことは、会社の動きが非常に速かったことです。
部門ができたり消えたりが頻繁にあり、異動も多かったです。社内にいる人たちも、そもそも頭の回転が速く、仕事の実行能力・推進力に秀でた方が多くて驚きました。
最終的に社外に出すものはハイクオリティだけれども、それまでの過程で社内で使う資料の体裁は不完全で良くて、それをたたきにして、どんどん決めて進めていくみたいなカルチャーでした。
社員の動きとしては、周りを巻き込んで引っ張っていって、止まれと言われても進んでいくような動き方が求められていた雰囲気があり、入社して3ヶ月くらいの時に「おとなしい」「遠慮している」と言われたことを今でも覚えています。
最初は、ECの事業のサービス企画をしていましたが、途中で異動を何回かして、その過程で、事業の最前線で引っ張ってくより後ろできちんと守ってくみたいなところの方が向いていると思われたのか、全社で横断組織としてQA(Quality Assurance)を立ち上げる時に最初のメンバーとしてアサインされました。
自分の仕事に対する想いとして、プロダクトやサービスを世に出していく一連の過程のどこかに関わる仕事であれば最終的に無駄にはならないだろうと思っていたので、QAのプロダクトの品質にフォーカスを当てて、向き合ってという仕事は、新たなものの見方が身に付いたので、初めてで戸惑うところは多かったけれど非常に良い経験でした。
LAPRASとの出会い
DeNAにいると、他社の協力会社と一緒に仕事をすることがありましたが「会社の看板があるからこういう扱いをしてくれているけど看板がなかったらどうなるんだろう」というのが、いつもどこかに引っかかっていました。
また、DeNAではQAやCSといった事業部を支える裏方の仕事が長かったですが、プロダクトを主とした事業を進めていくところに関わっていきたいという気持ちがあったので、まずは社内で異動をしようとしましたが叶わず、社外で事業サイドの副業ができないかを探し始めました。
思っていた以上に多くの会社からお声かけいただきましたが、過去の経験的にフェーズが早めの段階でまだ人数が多くなくて、どんどん伸びていくところが一番面白かったのでそのような規模感のLAPRASが魅力的に感じました。副業ではプロダクトマネジメントはやりづらいこともあり、副業ではなく転職という決断に至りました。
失敗しても経験値になるようなチャレンジをする
これまでのターニングポイントでは、最終的な目標に対してこのチャレンジをしたことでどのような選択肢が広がっていくかをチャレンジする前に意識していました。
新しいチャレンジがうまく行って新しい経験ができるのがベストだけど、もしうまくいかなくても、良い経験になって、転んでもただは起きない精神で次に進めそうなところを選んでいました。
何事も、やってみないと分からないものです。やってうまく行ったらそれは良いし、やってうまくいかなかったとしても、そのチャレンジ自体が良いチャレンジだったら、うまくいかなくても得るものはあるし、良い結果と言えると思います。
転職であれば、転職してうまくいかなかったとしても、そのさらに先に行った時に選択肢が残されているような、選択の幅を一定以上のところに維持するみたいなことです。
選択肢を広くということでいうと、DeNAからLAPRASへの転職も、安定から不安定になるんじゃないかと思う方もいらっしゃるかも知れませんが、激動のスタートアップ界隈に飛び込んでやっていくという、そのチャレンジができれば、たとえ良くない結果になったとしても、その次を見据えると巡り巡って安定に繋がるのかなと思います。知らず知らずのうちに安定しているところにずっといて安心している方が危険な気がします。
今回は、プロダクトマネージャーの北さんに、これまでのキャリアについて伺いました。
転職というチャレンジの中で、エンジニア、PdM、QA(Quality Assurance)など幅広くご経験され、ご自身のやりたいことを見つけられ「スタートアップでプロダクトを主とした事業を進めていくところに関わっていきたい」という想いを実現された北さん。
「最終的な目標に対してこのチャレンジをしたことでどのような選択肢が広がっていくかをチャレンジする前に意識する」という北さん流の、転職する際に意識すべきポイントも目から鱗でした。
転職に限らず、チャレンジする際には、失敗しても良い経験になるような素敵なチャレンジを選べたら良いですよね。
LAPRASでは現在、一緒に働くエンジニアメンバーを募集しています。興味を持っていただいた方はぜひお気軽にお声かけください!
また次回、別のLAPRASメンバーのキャリアをお届けできればと思います。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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