#265 カウンセラーに聞いた、悩みの聞き方
人から悩みを相談されたとき。
自分も相手と同じようにつらくなる、
という方はいらっしゃいませんか。
私は学生時代から、よく
同期や後輩の相談を受けていました。
話を聞いて相手が元気になってくれたら嬉しい、
という気持ちで話を聞いていましたが、
ある時、自分まで辛くなっていることに気づきました。
そんな中、とあるカウンセラーさんと
仕事でお話することがありました。
その時に
「人の相談を聞いて、自分が辛くなるなら、
話の聞き方を変えた方がいいですよ」
とアドバイスをいただいたんです。
そのカウンセラーさんは、
日々様々な方のカウンセリングを行っていましたが、
毎日悩みを聞いても辛くならないとのこと。
今回はそのカウンセラーさんから聞いた、
話の聞き方をお伝えします。
1.悩みを聞いてつらいと感じる理由
悩みを聞いてつらいと感じる理由は、
このどちらかであることが多いです。
✓ 相手の悩みを「自分のこと」と捉えてしまう
✓ アドバイス疲れ
(1) 相手の悩みを「自分のこと」と捉えてしまう
相手の悩みを「自分のこと」として捉えてしまうと
相手と同じ気持ちになったつもりになり、
つらいという気持ちが強まります。
相手と同じ気持ちになったつもりになるので、
「同感。私も同じ気持ちになったことある。」
という感覚になります。
このような気持ちで聞き続けると、
自分が似たような経験をした時の感情と
どんどん重ね合わせていくことになるそうです。
例えば、仕事で失敗して落ち込んでいる
という話を聞けば、自分が仕事を失敗した
時の気持ちを思い出して反応するので、
自分がつらかった気持ちが前面に出てきます。
こうした話の聞き方は、
「同じ気持ちになってくれた」という感覚を相手がもつので、
一時的な安心感は生まれます。
ですが、自分の過去の感情は、
あくまで「相手と似た感情」に過ぎません。
実際は、「似ていても異なる感情」なので、
あまりよい関わり方ではありません。
(2) アドバイス疲れ
一般的に、人は自分の経験や知識をもとに
相手にアドバイスをしたくなります。
ですので、熱く語った後に、
「このアドバイスで良かったのだろうか」
と悩むことが多いのだそう。
あなたにはそんな経験、ありませんか。
アドバイスをしたあとに思いをめぐらせ、
自身が疲れてしまう、という状態になることが
意外と多いそうです。
2.カウンセラーが実践している方法
では、カウンセラーさんはどのように
相談を聞いているかというと、
「同感」せずに「共感」する
ようにしている、とのこと。
この2つは一見似ている言葉ですが、
✓ 同感はあなたが主体で「私もそう思う」
✓ 共感は相手が主体で「あなたがそう思う」
という点が大きく違います。
共感の場合、相手の感情をそのまま受け止めるので、
「私だったら…」と自分のことは考えません。
もちろん、全く感情を
動かされないわけではありません。
相談相手が身近な人であればあるほど、
自分の気持ちを切り離すことは難しくなります。
それでも、できる限り、
「相手が」どのような気持なのかを
聞いて、寄り添うことに注力しましょう。
どれだけ同感しても、
最後に問題を解決するのは相手自身。
あなたがその人の代わりに選択し、
実践することはできません。
共感することで、相手が自分自身を
見つめるきっかけをつくることが、
本当の意味で相手を尊重することに繋がります。
3.仕事の業務指示はどうする?
ちなみに、ということでカウンセラーさんに
「仕事でも共感を意識するのがいいのでしょうか。」
と聞いたところ、「共感も同感も必要ない」との回答を
いただきました。
やるべきことに対して、
「やりたくない」と思われていても
「じゃあ、やらなくていいよ」とはなりませんし、
共感して
「そうか、やりたくないんだね」
と言っても埒があきません。
仕事では、的確に相手にやるべきことを伝えましょう。
そして、仕事仲間が悩んでいたら、共感することを
意識しながら話を聞いてあげましょう。
相手の状況や気持ちに合わせて対応することで、
お互いにとって有意義な時間にしたいですね。
4.まとめ
いかがですか。
今回はプロのカウンセラーさんから聞いた、
相談の聞く時のコツをお伝えしました。
最後に、カウンセラーさんは
このような話をされてました。
「相談を聞く時は、全神経を集中させるので疲労感はります。
でも、相手の思いや価値観を聴かせてもらえて、こちらが
励まされたり、自分を見つめ直すきっかけをいただけます。」
私たちが最初からプロのカウンセラーのように
話を聞くことは難しいかもしれません。
でも、相手に寄り添うためにも、
今回ご紹介した話の聞き方がお役に立てば嬉しいです。
今回はこれで終わりにします。
ではまた。
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