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今日も、海の向こうの知らない世界に飛び出したくて

何かに挑戦したかった。私の知らない何かを知りたかった。世界は本当はどうなっているのか確かめたかった。息を呑むほどの絶景を見たかった。

そんな思いで、初めて海外一人旅に出たのは3年前の夏。今でもはっきりと覚えている。

クロアチアのスプリット空港に深夜に到着し、その場の暗さに怯えながら、ドブロブニク行きの夜行バスに乗った。私の中では、恐怖よりも眠気が勝つらしい。初めての海外一人旅、初めての海外での夜行バスで、爆睡した。

寝心地の悪さから早朝に目覚め、寝ぼけながら窓の外を見ると、薄ぼんやりとした藍色の海と空に、薄ピンク色のグラデーションが加わり、街の所々にオレンジ色の明かりが灯っていた。

その景色はとても幻想的で、ああ、やっぱり世界って美しいんだなって、ぼんやりと思った。

それからドブロブニクに到着した。有名な旧市街に行きたいけれど、市バスの乗り方もわからないし、切符を買う場所もわからない。Wi-Fiがないから調べようもないし、何よりバックパックがとにかく重くて動けない。

そんな状態だったが、なんとか一つずつ問題をクリアし、旧市街についた。

オレンジ色の屋根がこんなに綺麗だったことを初めて知った。海は広くて大きいことは知っていたけれど、生で見たアドリア海がこんなに青くて広いことを初めて知った。路地の探検はとても楽しいことを知り、私の体力は意外とあることも知った。そして、夢見ていた憧れの場所に、私が今、本当に存在して、生きているということを知った。


クロアチアで海外一人旅の魅力に取り憑かれた私は、それからいろんな国を旅した。





確かに、モロッコで夜に迷い込んだ路地は怖かったし、スペインの電車で異常に絡んでくる男も怖かった。イタリアでは途中で貯金が底をつきかけたし、カンボジアで宿から230キロ離れたど田舎で突然バスから降ろされひとりぼっちになったこともあった。


でも、私は、今を生きていた。それだけでいい。そんな日々だった。


日本で過ごす日常のように、どうしようもない過去の後悔ばかり無駄に考えたり、先の見えない遠い未来に対して不安を募らせることはない。

旅をしている時だけは、今を生きていた。生きていることを、実感して、それだけで満足だった。




そんな日々が、どうしようもなく恋しい。

生活の仕方さえも知らない国で、私のことを誰も知らない国で、いろんな景色や人、物事に出会い、嘘のない私で、ただ、その時を生きる。そんな時間が、どうしようもなく恋しい。



だから、今日も私は、海の向こうの知らない世界に飛び出したくて、未来のいつかの航空券を調べている。

#エッセイ #旅とわたし #海外1人旅 #クロアチア #写真

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