エッセイ「かく語りき、一片のパン〜 MIHO MESEUMを訪ねて」
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先日、GW休みと言うこともあり、旧来の仕事仲間と久しぶりに飲みに行きました。
そんな折、お互いに齢50歳を越えると健康についての話題も少なくはないです。
今回のエッセイは、食べ物について語ります。
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「ソフトオリーブパン」
滋賀県の信楽は山奥に佇む美術館
"MIHO MESEUM"
ここのレセプション棟でこのパンとの出会いがありました。
その白いパンはふうわりと柔らかくて
千切ったパンをそっと口に運んでみると
オリーブの香りが駆け抜けていく。
幽かな塩味があって
オイリーな生地はしっとりと食べ応えがあり
口中でパサつくこともない。
優しく滑らかに喉元を過ぎてゆく食感に
心が癒されていく__ 。
これは只事ではありますまい。
このソフトオリーブパンには
あらゆるこだわりがあるのだと知りました。
それらを紹介しつゝ紐解いて行きます。
古代小麦 レッドファイフ
パンを作るためには、食感を良くするために品種改良が重ねられてグルテンを多く含む現代小麦(普通小麦)を使うことが主流です。
このソフトオリーブパンは
グルテンの少ない古代小麦種"Red Fife《レッド ファイフ》"を使用しています。
グルテンの摂取が原因で
免疫反応が正常に機能しなくなり、
自分の腸の組織を攻撃してしまう自己免疫疾患があります。
そのためグルテンフリーであることは
小麦アレルギーの方や乳幼児にとっても身体に優しい食材と言えます。
エキストラヴァージン・オリーブオイル
このパンでは乳製品であるバターを使用しません。
ヴィーガニズムで提唱される
「自身の目的のために、動物の生命を奪う権利はない。」とする主義です。
その代わりに使用するオリーブオイルには強いこだわりがあります。
イタリア・トスカーナ地方の蔵元
アントネッラ・マヌリさん監修の下で作られたエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルを使用しています。
まるで森の中にいるような清々しい香り
その奥からはアーモンドやスパイスの複雑な香りが綾をなし
ほろ苦さがピリッと口中を引き締める。
そんな爽やかな余韻を感じさせます。
レシピは愛を象る
古代小麦(グルテンフリー)× オリーブオイル(ヴィーガニズム)の融合
小麦アレルギーや乳アレルギーといった
食べ物のリスクから、誰しもが安心して身体に優しいものを摂りこめるように
もうひとつパン職人がこだわったのが柔らかさ。
グルテンが少なくやわらかいことを逆に利用し、
さらにパンを大きく作ることで柔らかさを出す。
これは歯の弱い方でも食べやすいようにとの思いからの配慮とのことです。
研究を重ねてたどり着いた結果__
素晴らしく優しさの溢れるソフトオリーブパンの誕生となりました。
まさに__
愛に満ち溢れたレシピと言っても過言ではありません。
いのちの源
「サプリメントのように精製された(完成された)栄養素を体内に吸収し続けることは、
本来の身体が持っている機能を損なう。」
ことになるらしいです。
※科学的根拠はなく、ひとつの思想として。
本来、自然にある食べ物は
精製されていない未完成な状態であり、
未完成な栄養素を体内に取り込むことで、
本来の人間が持っている食べ物を消化吸収する機能が健全に働く。
さらに力説すれば__
一番大切なのは普段から何を食しているのか?
これがとても大切なことだと言います。
本来は__
自家製の種子を無農薬で栽培し、
自然の土地の中で育んだ食物を頂くことが理想です。
そのような農産物の味は澄んでいて芳醇そのものであり
さらに、そういった無農薬栽培を継続することで
次第に種子や土地は清まってゆき
育つ作物の美味しさは益々と高まる。
持続可能な食育足りえると想像出来ます。
天からの恵みである陽光や雨水によって
大地は適度な潤いと温もりと呼吸を繰り返す。
そして人間が正しく介在することで素晴らしい農産物が収穫出来る。
美しさと健康が回復され、性格も穏やかに形成される。
本来の食べ物とは心身へ良い影響をもたらすものであり、
感謝の気持ち__「有難い=ありがとう」が
自然と湧いてくるものなのでしょう。
たかが一片のパン
されど一片のパン
かく語りき、一片のパン
その味には筆舌に尽くしがたい物語がありました。
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出典:MIHO MESEUM
長文お読みいただきありがとうございました。
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