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『マンガ 老荘の思想』を読んで
『マンガ 老荘の思想』を読みました。
孔子が上下関係を大事にする意識高いサラリーマン系なら、老荘はスローライフ系。いまの時代こそ通用する思想であり、その原点ともいえる老荘の思想。気になっていて、ようやく手に取りました。
中国の春秋戦国時代、争いが絶えない世の中。老荘の思想はそういった時代だからこそ生まれたというのがよくわかります。
欲を無くせば出世もなく、恨まれないから争いもない。戦国の世に対処するための工夫でもあるんですね。
孔子の儒教的な道徳論に対するカウンターカルチャーという認識だったので、「孔子か老荘か、お前はどっち?」の世界かと思っていました。
どうやら三世紀、「老荘」が定着してからは、中国の人々は、表向き公では儒教的な価値観で自分を律し、プライベートは老荘的に生きる、そんなかんじで使い分けていたようです。
荘子は「胡蝶の夢」で知られるように、より自然を重視している印象で、老子は寓話的なエピソードだけでなく、「道」という書を残しています。そのなかで、あの孔子の五常も一蹴しています。
それでは響いたところを徒然なるままにクリップします。
by 荘子
人は自覚的存在なのだ。他人から自分を描いてはいけない。
過去と未来から現在を描いてはいけない。
価値の無いものから価値のあるものを描いてはいけない。
無限から有限を描いてはいけない。
死から生を描いてはいけない。そうすれば人は自由になれる。
by 老子
「道」が失われて「徳」があり、「徳」が失われて「仁」があり、「仁」が失われて「義」があり、「義」が失われて「礼」があるのである。
弱ければ争いに巻き込まれることもなく、愚かであれば、華やかにまどわされず実質をとる。すべては自然のなすままに。
「学」を求める者は日一日と増やしていく。「道」を求める者は、日一日と減らしていく。そしてついには無為の境地に入るのである。本分を守り、勝手なことをしなければ、できない事など何もない。
国を治める者は、静かに、かき乱さず、よけいな手出しをしてはいけない。やたらに規則を作る者は、ついには失敗する。
一見、非常識・静的・アナーキズム・悲観・厭世主義だともとれます。けれど、じつはまっとう。あるがまま、諦観、傍観、自然、自由、無欲。たいへん魅力的でございました。
というわけで以上です!
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