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『痛快!憲法学』(小室直樹)を読んで

小室直樹著『痛快!憲法学』を読みました。

学生時代、宮崎哲弥・宮台真司おふたりM2の対談本などを読むなかで、小室先生の存在を知りました。一つひとつの著書が分厚く、骨太で、図書館でよく拝読してました。

あの立川談志が惚れていたというのも後に知ってうれしい気持ちになりました。本当はよろしくないのですが、YouTubeにまだ動画がアップされている!

で、本書なのですが、当時読めておらず、いまとなって手に取りました。人(教養ドライブ)からのお勧めの一冊なのですが、たしかに必読。

「必読」という言葉が多用されすぎてインフレを起こしていますが、それでも必読だなと。

小室先生は多岐にわたって学問を極めていますが、そのエッセンスが見事にあらわれています。いや、そもそも憲法を語ることは、網羅的・横断的でないと成立しないのでしょう。

憲法が慣習法であるだとか、資本主義と民主主義の密接な関係性、キリスト教と契約、カルヴァンの予定説、ロックの『社会契約説』のインパクト。

日本的資本主義のシンボル(労働=救済のエートス植え付け)としての二宮尊徳。身分を越えた平等思想と伊藤博文の天皇教。平和主義と軍備の両立。

どれもおもしろく、目から鱗ばかりですが、いちばんの学びはすべて「つながっている」ということです。

日本経済の停滞という現状を構造、本質でとらえると憲法に行き着くというお話。かなりかいつまんで編集しながらクリップしますと、たとえばこんなかんじ。

*日本はもはや資本主義国家ではなく、一種の社会主義国家です。この日本の惨状を救うには社会主義を一掃して、戻さなければならない。

*そのために、まず日本人全体が資本主義の精神に戻ること。

*その前提となるのは民主主義あってこそ。民主主義の精神なくしては資本主義は生まれない。

*したがって、日本を救うにはやはり民主主義を蘇らせ、憲法がちゃんと働く国家にしなけらばならない。ですから、この問題は憲法に行き着く。

クリップは断片的ですので、ぜひ本書を。中古のみの販売で比較的高価ですが一読の価値ありです!ちなみに担当編集はサロンドシマジのあの島地勝彦さん。

というわけで以上です!

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