小学生の楽しかった「乾杯」
チリン、カン、はたまた無音か。手にした杯に少し涼やかな音をさせて器を合わせあうこの行為はなんだか素敵な食事シーンの幕開けを演出してくれる気がして実は愛しい瞬間のひとつだったりする。
昔は水や牛乳、特別な時はジュースだった私は今では日本酒やワインなどで乾杯するようになった。
手にしているものだけが変わっているだけなのに「大人になったな」と思う。
でも子供時代の乾杯も悪くなかったよなって。
小学生低学年の頃から、とある屋外スポーツにいそしんでいた。「久しぶり!」より「焼けてるなぁ」と第一声で言われるくらい太陽とお友達になる種目だった。焼けてるってよりも焦げてたといっても過言ではなかった。
低学年の夏休みはチケット制になり、普段固定でよく会う友達以外とも一緒になり、練習や試合をした帰りに待機場のサルゲッチュかマリカーをしながら皆で親の迎えを待つのがルーティンだった。
この夏休みだから会える一期一会な仲間たち。
そのうちの1人が2個上のお姉ちゃん。あだ名で呼ばれてるのとそんな先輩後輩なんて風潮もまだない小学生。「ヘイミサ〜」「ヘイフジ〜」ミサちゃんと2人で顔合わせる度に「今日はアレ?」「あるよ」という2人の暗号があった。
2人で交わしたSAKE
サッカー選手が使ってるようなジャグ型の水筒は強い子たちが使っていた。水筒メインな私も、たまにミニゲームで賞品としてでるスポドリを目当てに燃えていた。色がやばすぎるスポドリは超健康に悪そうだよね!なんてケラケラ笑いながら、いろはすのように同じメーカーのフレーバーウォーターはなんだか安全な気がしていた。
ミサちゃんは水筒よりもペットボトル派だった。
あっつい夏、ひと休憩ごとに水分を飲んでいると一瞬。ウォーターサーバーに駆け込める補給前の水分補給はあちらこちらで助け合いもしょっちゅう。
ペットボトルの浅いけど大きい蓋と水筒や、小さい方の小さなキャップに水をいれて2人で「SAKE!」って乾杯しながら飲む瞬間がとても楽しかった。ペットボトルもジャグタイプで口で栓を引き抜いて飲めるタイプは小さくてもこぼさずにきれいに注げたり、おっとっとなんて軽口をたたきながら酌み交わした。浅い蓋のパターンとちっさなキャップがあって、たまにコーチに「キッズたちには飲酒には早いでしょ。俺はビール派」「俺も好きだよSAKE」などつっこまれたり、近くの子たちが一緒にノリで乾杯の輪に加わったり。
そしてジャグ組にばちくそに完敗して、
マリカーで雪辱を晴らしたり。笑
たまーに一緒になった2人の暗号であり夏の想い出だ。
キャップのペットボトルを見る度にキャッキャうふふしたエピソードあるなぁ、とくどうれいんさんのエッセイを読んでたら浮かんできたので書き残しておくんだ。