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アニメ映画をハシゴ鑑賞「楽園追放 -Expelled from Paradise-」/「ルックバック」(2回目)

映画サービスデーの水曜日、アニメ映画をハシゴ鑑賞しました。



「楽園追放 -Expelled from Paradise-」

2014年公開アニメ映画のリバイバル上映。
予告動画を観たら面白そうだったので何の予備知識もなく観に行ってみました。

良かった。ストーリーもよくまとまっていたけど、アニメーションに感動した。10年前でもうここまでハイクオリティだったとは。(アニメ観るようになったのコロナ禍からなので)
とりわけマシーンのバトルシーンには圧倒された。画の細かさ、スピード、迫力、スクリーンで観て良かった!
手描きとCGの合成かと思ったらフルCGなのね。手描き風CG?
脚本は「魔法少女まどか☆マギカ」の虚淵玄。(まどマギもコロナ禍に観ました)

未来、人類は荒廃した地球から宇宙に拠点を移し、「ディーヴァ」というバーチャル世界で自らをデータ化して生活するようになっていた。いわゆるメタバースのような、好みのアバターの姿で仮想空間で働き、遊ぶ世界。生身の身体は棄てている。
近頃そのディーヴァがハッキングされ、妙な勧誘メッセージが流される事案が多発していた。ハッキングの発信元が地球だということがわかり、ディーヴァの捜査官アンジェラはそのハッカーをつきとめるため、生成した生身の身体に己を入れて地球に向かう。
地球到着後は雇われエージェントのディンゴがガイド役として同行する。ディンゴは地球で暮らす生身の人間で、腕は確かだが素行不良。
常識も価値観も異なるアンジェラとディンゴの捜索道中劇、そしてハッカーの正体とその目的とは…

といった感じのお話。
監視と管理のもと、安全で快適な暮らしができるディーヴァ。対して荒廃した地球での暮らしは食っていくのも大変で、生身の身体ゆえ怪我や病気だってある。しかし、自由だ。
生身の身体で様々なリアルを体感し、自由な生き方や考え方を見て、アンジェラの思考も変化していく。良き。
胸やお尻が強調されたキャラデザインだと、こうした優れた作品のファンがみんなスケベヲタクだと思われるので控えたほうが良いと思う。

ロビーに展示されていたアンジェラ


「ルックバック」

2度目の劇場鑑賞です。1回目観た時に、これが今年のマイベスト作品になるんじゃないかと思った。今年そんなに何本も映画観てないけど(笑) 実際やっぱりマイベスト。
劇場に2回目観に行こうかどうしようか、でも2回目は配信でいっか〜、と思ってたところに監督&主演声優インタビュー付きで上映されているのを知って、上述「楽園追放」のすぐあと同じスクリーンだったので連続鑑賞。

細かい感想は1回目鑑賞の記事を参照ください。ネタバレを含みますのでご注意ください。

「うっ」と込み上げるポイントは1回目より2回目のほうが増えるものです。
・京本の家の廊下で山積みになったスケッチブックを藤野が目の当たりにするシーン
・藤野が雨の田んぼ道をスキップして帰るシーン
・大雪の中を藤野が京本の手を引いてコンビニまで行くシーン
・藤野と京本が街で遊んでその帰りの電車まで
・京本が美大に行きたい思いを藤野に告白するシーン
・藤野が「背中を見て」の4コマ漫画を見つけて京本の部屋に入るシーンからエンドロールの最後まで

全編約60分ですからね、「うっ」と来るシーン以外も全部良いですよ。
卒業証書を届けに行くとこなんか、京本宅のインターホンを鳴らすとこから正直来ちゃうし。それよりもっと前、とにかくひたすら描く藤野の背中の連続も良い。

ここからは監督や声優さんたちのインタビュー映像に基づいて述べます。

“動原画” という手法が独特。手描きでラフに描いた線をアニメでは通常クリーニングして消すものだが、この作品ではあえて残している。クリエイターを描いた作品なので、制作過程の痕跡や思案を観る人に印象づけるのが狙いだ。
「AIが作画をするようになった将来、この作品を観てあらためて何かを感じてもらえれば」という思いも込められているそう。
「楽園追放」を観たあとだったので妙に響く。
雨の田んぼ道スキップシーンについても語ってくれて嬉しかった。原作漫画での静止画からアニメーションにする時にどう表現すべきか思案してくださり、誰もが納得する形に仕上げてくれた押山監督のセンスに拍手。
haruka nakamuraさんの音楽についても言及されていた。彼の音楽が感動を増してくれているのは間違いない。
河合優実さん(藤野の声)と吉田美月喜さん(京本の声)のインタビューの中でも、押山監督のこだわりが語られていた。
吉田美月喜さんの引きこもり感たっぷりな声に監督が惚れ込んだ話も面白かったが、河合優実さんの演技に惹かれた押山監督の気持ちには私も大いに賛同。河合さんのおかげで、冷めてる風でいて熱っぽくて見栄っ張りな藤野のキャラが、ひとまわりもふたまわりも魅力的になっていると思う。
自分はドラマ観ないので河合さんを知ったのがこの「ルックバック」だったのですが、その直後に配信で観た「PLAN75」で河合さんの虜になりました。台詞ににじみ出る何とも言えない人間味というか、言葉にできない不思議な魅力がある。いま最も好きな俳優さんのひとり。

来場者プレゼントの色紙と冊子



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