ファシリテーション×マインドフルネス
アダム・カヘンの「共に変容するファシリテーション」、発売してすぐに手に入れたのですが、手ごわい本かなあと思い、放置していました。思い立って読み始めてみたら、いろんなエピソードも描かれていて意外と読みやすく、読み終えてしまいました。
要約すると、垂直型ファシリテーションと水平型ファシリテーションのどちらかではダメで、その両極を行き来しなくてはならない、それが「変容型ファシリテーション」。ファシリテーターの在り方について、大変勉強になる本でした。
ファシリテーターにとって大事なことの一つに、注意を払い続けることがあり、注意をそらしたり、動揺した時は、「今ここで起こっていることに注意を向けることを思い起こす必要がある」と書いてあります。マインドフルネスそのものです。
この2,3年、私がマインドフルネスに取り組んできたことは、ファシリテーションにとって必要なことだったのか、とあらためて思いました。
鈴木俊隆老師の「禅マインド ビギナーズマインド」からの引用や、ネガティブ・ケイパビリティについても言及しており、これらの本も読もうと思います。(読書会に参加し損ねたので)
アダム・カヘンは、自分の失敗についても本書の中で公開しています。過去にうまくいったやり方が、次に同じようにうまくいくとは限らない、という教訓です。そういう時も、すぐに状況に気づいてリカバーしたのはさすが、と思いました。
コロンビアのプロジェクトでは、3日間のワークショップ2回の開催のために、丸1年間毎日取り組んだ、とのこと。ファシリテーションを成功させるためには、事前の準備こそが大切なんですね。
前著「敵とのコラボレーション」では、「愛と力」の両方が必要、「力と愛と交互に使う」とありましたが、本書では、「ファシリテーターは愛と力だけでなく、正義も活用できるように支援しなければならない。」とさらに進化しています。人種問題をはじめ、特権に恵まれた人生のために、差別に気づけないことで、貢献できなかったり、つながりを作れないことがないように、と釘を刺しています。人権や公正ということに向き合ってこそ真のファシリテーターということでしょうか。
下の2冊は、これから読みます。
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