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人生2回目の断食体験記

先日、人生2回目の断食に挑戦した。(前回の断食体験記はこちら

・転職に伴って有給消化を1か月獲得したので暇
・暇つぶしに暴飲暴食する日々が続き、体重増加の一方
・旅行が好きなので都内から脱出したい

という3点の理由から「近場でサクッと断食するか!」と思い立ってネットで色々と検索してみたところ、長野県の断食道場(コーナーストーン)が目に留まった。

新宿から電車で2時間程度で着く好アクセス、宿泊プランの柔軟性(1日2泊から長期滞在まで選択可能)、料金の安さ(他の断食道場だと1泊1万円以上がザラだが同道場は6,000円と破格)等々、メリットは目白押しだが、最も心をくすぐられたのは「滞在期間中は自由行動であること」だ。

大抵の断食道場(前回体験した際もそうだった)はヨガやエクササイズやウォーキング、中にはエステまで多種多様なプログラムを提供している。魅力的な反面、時間割がキッチリ決められており、かつ他参加者たちとの交流が煩わしいとも言える。その点、コーナーストーンは門限があるだけでプログラムは無く、全て自由に行動できるのがウリだ。「ここならのんびりと過ごせそう。積読していた本を片付けよう」と判断して参加を申し込んだ。ガッツリ長期滞在することも一瞬考えたが、今回も2泊3日で済ませることに。

【断食1日目】
朝食と昼食は摂らず、新宿駅から特急あずさ25号に乗り込んで茅野(ちの)駅に到着。断食道場は標高1,500mの山中に位置しているので、道場主に車で迎えに来てもらった。道場主はキリスト教の牧師も務めているせいか、穏やかなオジサンで、過去の断食経験や道場設立の経緯を聞き込んでいるうちに30分ほどで道場に到着。

コーナーストーン

驚いたのは施設の綺麗さ。料金の安さ・山中に所在ということもあり、山小屋みたいな施設だろうと勝手に想像していたのだが整理整頓されたペンションだった。そして個室もTV・暖房・電源・Wi-Fiが整備されており、「そこらへんの民宿よりも余程充実しているな~」と嬉しい誤算だった。道場主によると最近はコロナ禍ということもあり、宿泊しながらリモートワークを行う参加者も多いので、施設内の充実を図ったとのこと。私の前職は週1日出社・週4日在宅体制だったので「この環境なら自宅でリモートワークするよりも効率的・集中できるかも…前職時代に在宅扱いでここに来ても良かったかも」と思ってしまうほど、ちゃんとした道場だった。(虫も施設内にほとんどおらず、その点もストレスが無かった。夏場は分からないが…)

部屋の中

部屋に落ち着いたものの、やることは無い。門限も18時なので遠出はできず、ペンション周辺を散策。アップダウンが激しいものの空気が澄んでおり、何よりも緑葉が美しい。3㎞ほどウォーキングして早めに入浴を済ませる。道場内のお風呂は麦飯石を使っているので身体の芯まで温まる仕様となっており、ここも高ポイントだった。

その後、部屋でゴロゴロしていると道場主の奥さんが部屋まで酵素ジュースを持ってきてくれた。リンゴのスムージーで極上の味だった。駅構内のジューススタンドで販売したら1杯500円で売れるだろう。

その後、そのままベッド上でYoutubeを見たり持ち込んだ本を読みこんでこの日は終了。東京の日中は30℃を超す猛暑日だったが夜中はひんやりとしていたので長袖を羽織って就寝。

【断食2日目】
朝4時に起床。断食中は胃腸が休み切っているので眠りが浅い。ショートスリーパーにはありがたい限りである。

引き続き読書を進めたりペンション周辺を散策(周辺にもペンションは多数営業している。ただし幸いなことに、自販機やコンビニは無いので断食に集中できる環境)して時間を潰す。絶景に癒される。

1日目

そして8時からは朝の礼拝。道場主夫妻はキリスト教牧師なので朝は讃美歌・聖書を勉強するとのことなので参加させてもらうことに。宗教好きでありながら真っ当な聖書を読むのは人生初だったので、貴重な体験であった。そして礼拝後、酵素ジュース(はちみつ入り)を頂く。この時点で空腹感はあるものの辛さは一切なく、身体の軽さを感じていた。

その後、12時の酵素ジュース摂取まで暇だったので車山高原を観光することに。15分ほど歩き、車山高原の展望リフトに到着。2,400円をクレジットカードで支払い、往復リフト券を購入。

リフト

リフトに乗ること約15分、山頂に到着。「平日だしコロナ禍だし割高だし、どうせ空いているだろう」と思いきや、意外と登山客が多くてビックリ。避暑地ということでニーズが高いのだろうか。

車山山頂

車山神社

空腹と酸素の薄さ(道場主曰く、低地の4/5ほどの酸素量とのこと)、そして見晴らしの良さを感じつつ、30分ほどで退却。道場に戻って酵素ジュース(青汁)を頂く。普段は青汁など一切飲まないがゴクゴクと一気飲み。青汁自体が美味しいのか断食中ゆえに何でも美味しく感じるのかは不明。恐らく両者とも正解だろう。

その後は部屋内で読書・スマホをいじってやり過ごす。断食中なので思考はクリアなものの、頭の回転は明らかに鈍い。そして軽度の頭痛も発生し、ベッドに横たわって何とか乗り越える。いわゆる好転反応だろう。これも断食の醍醐味である。

そして18時の回復食を頂く。メニューは味噌汁とお粥と梅干。極めて質素な食事ながらも味の濃さに驚く。味噌の濃度、梅干しの酸っぱさを噛みしめて大満足。普段はラーメン二郎やカラムーチョなどの激濃厚食事を堪能しているバカ舌なのですっかり麻痺していたが、この断食生活でだいぶ敏感さを取り戻せたのではないだろうか。回復食の美味しさを何度も反芻しつつ早めの就寝。

【断食3日目】
早いもので断食最終日。この日も朝4時に起床。早寝したこともあり、抜群の目覚め。朝風呂、ペンション周辺の散策で時間を潰し、回復食・ジュース(玄米のオニギリ・梅をまぶしたお茶)を頂く。

そして朝9時前にチェックアウト。最寄りバス停まで車で送っていってもらう。まさにあっという間の2泊3日だった。「3泊4日でも良かったかも」と思いつつ、少し物足りない方が高い充足感を得られるのだろう。またコーナーストーンに来たい、と感じる断食体験だった。実際にコーナーストーンはリピート率が高いらしく、他参加者の話を聞くと「2か月ぶりの参加」「これまで合計10回程度参加している」とのことだった。確かにこの料金設定、アクセスの良さ、そして自由度の高さを考えると満足度の高さも頷ける。

自宅に戻って体重計に乗ると、体重はマイナス1㎏だった。まぁ2泊3日の断食成果としてはこの程度だろう。あとはここで培った”空腹感に対する耐久性”をいかに持続できるか、が肝要である(と言いつつも今現在、スナック菓子を摘みながらnote投稿しているのだが…)。こうして、私の人生2回目の断食体験は成功に終わった。次回は恐らく1年後になるだろう。また成功させたい。

車山高原


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