遺伝子レベルで相性いいって素敵

なぜか明け方の4時半に目覚めた。
いや、なぜかじゃない。
22時半に寝たのだから理由はそれしかない。

目が覚めてまどろみの中で二度寝をする時間が好き。
その時間に名前がまだないなら私が名付けたい。

永遠に続いて欲しいと思う時間でありつつ、でも永遠に続かれると困ると、うとうとしながらも理性を持って考えるくらいには今日の私は目覚めがいい。

しかしだらだらとベッドの中で二度寝をし、普段はやりもしないようなスマホゲームをしたりしながら、結局7時までベッドに居座った。

ここ最近微熱続きで薬漬けな毎日を送ってるから、普段朝は食べない派の私も、薬を飲むために朝に少しのナッツ類を口にする。

実はあまりナッツは好きではないのだが、健康にいいと言われたら多少の我慢をして食べてしまう私って、わりと何に対しても好き嫌いせず取り組む子なんじゃないだろうか。ちょっぴり心の中で自分を褒めてみる。

37.0℃

朝でこれなら昼までにまた上がるのだろうと思いながら、テレビの画面に映る昨日のオリンピックハイライトを眺める。

今日は昼から雨が降るらしい。
せっかくどこかに行こうと思っていたのに。
そう心の中でつぶやいてみたものの、それは熱が下がった前提で昨日ぼんやり計画したことであって、コロナ禍には微熱のままじゃたぶんどこの店にも入れてもらえないのだろう、とこれまた冷静になった。その間2秒である。

どうせ熱も上がるし昼から雨なんだったら今のうちにコンビニにでも。
そう思い立ってからの行動は早い。
5分で適当な服に着替え、ほぼ起きたままのナチュラルセットの髪の毛を隠すようにキャスケットをかぶり、スマホだけもって外に出る。

真夏とはいえ、朝7時半の日差しはそんなに嫌なもんじゃない。



コンビニで入れてもらったホットコーヒー片手にレジ袋をもう片手に持って、さっきより少し暑くなった気がする日差しの中、歩いてきた道を戻る。

すれ違う人たちはみんな今から出勤だろうか、学校だろうか。

「今日もお疲れ様です」

なんて言葉は特に心に思い浮かばなかった。
私にとって彼らは私の世界の外にいる人たちであり、また彼らにとっての私もそうだろう。

無心で帰る300メートル、もうあと50メートルくらいのところで、若いご夫婦が一緒に歩いてるのとすれ違う。
まあ、、夫婦かどうかはわからないが。

すれ違いざまに嗅いだことのあるにおいがした。
誰のにおいだったかまでは思い出せない。
でもいつかに好意を抱いたことのあるにおいではあった。

香りには人の記憶を呼び起こす力があるらしい。
プレゼントされた香水を久しぶりにつけるとその人を思い出すのは私だけだろうか。

別に私はいわゆるにおいフェチではないけれど、誰かに対してなんかいいにおいだねと伝えた時に

「えっ!もしかしてくさい?」

という返答をされるのが不思議だなといつも思う。しかも感覚では5人に4人くらいがこう言う気がする。

謙遜なのか本気で言ってるのかよくわからないその返事はテンプレなのだろうか。

私も次から言ってみようかな。

いいにおいだと感じる人とは遺伝子レベルで相性がいいって話を聞いたことがある。
娘がパパのにおいを嫌がるのは、遺伝子が近すぎるために生物的に拒否反応を起こしてるらしい。

いつかの昔、確か中学生くらいの頃、
私に好意を持っていた男友達の体臭が苦手だった。

汗臭いとかそういう話じゃない、なんか言葉にするのが難しいけど、とにかく近くにいてやすらぐものではなかった。

それをダイレクトに伝えるのは、どうしようもないことだけにあまりにもかわいそうなので、10年経った今も定期的に連絡をくれる彼には一生言わないでおこうと、中学生ながら心に決めたことを覚えてる。

いれたてのホットコーヒーのにおいが心地いい。

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