【アーカイブ配信】オープニング・フォーラム「発酵する思考、表出することば」【KWR02】
第二回京都文学レジデンシー 開幕!
今年も京都文学レジデンシーの幕が開けた。世界各国から集った小説家・詩人・翻訳家が9月30日から10月22日までの約三週間、京都市内に滞在し、リサーチや創作に専念する。
そのキックオフイベントとなる「発酵する思考、表出することば」が10月1日に松栄堂・薫習館にて行われた。書評家の渡部祐真/スケザネさんの司会進行のもと、「発酵」をテーマに、自身の創作のプロセスについて作家たちが語り合った。質疑応答も含め、二時間のイベントは、終始温かい笑いに包まれながらの楽しい時間であった。当日参加できなかった方は、ぜひ下記アーカイヴより、ご視聴ください。
KWR02オープニング・フォーラム「発酵する思考、表出することば」アーカイヴ配信
以下、当日のやり取りを一部文字起こししております。全容が気になる方は、ぜひ本編をご覧ください。
Q1.作品を書くきっかけは何ですか?
A.「私にとって詩を書くことはエディプス・コンプレックスそのものです」(モード・ジョワレ/詩人・パフォーマー)
A.「困難や苦しみを書くことで、私はそれそのものについて考えないでよいという側面がある」(ルス・ヴィトロ/小説家)
A.「私は、自分の中に書くべきものがあるとは信じられない」。「旅に出て、旅先で初めて見る景色を書こうと思うことが多い」(佐藤文香/俳人)
Q2. どういうふうにアイディアが「発酵する(膨らむ)」のか?
A.「何度も読んで悩んでから、翻訳に取りかかる」、「初訳のあと、「寝か」せてから、ブラッシュアップする」(カン・バンファ/翻訳家)
A.「読者に読まれる過程で、作品が「発酵」する」(佐藤文香)
Q3. 「素材そのもの」と「手を加える」こと、どちらを大切にしているか
A.「作品の中で書かない部分、あえて白紙にする部分がある」(ジョセフィン・ロウ/小説家)
A.「素材(=原作)そのものに沿って訳す初訳と、一度寝かせた後に(目標言語の)読者に楽しんでもらうためにブラッシュアップするフェーズがある」(カン・バンファ)
A.「私にとって一番大切なのはリズム」(モード・ジョワレ)
Q. 自分自身のことはどれぐらい作品に書くのか?
A.「究極的には自分が経験したなにか」、「(でも)それを超えた創作の火花が散る瞬間を待っている」(ジョセフィン・ロウ)
A.「自分の経験から得られた感情の真実を書くことが大切」(ルス・ヴィトロ)
そのほか、「作品を書く際のルーティン」や「京都滞在でやりたいこと」など、話は多方面に至った。会場からの質疑応答の時間には、「もう納豆は食べたか?」というユーモアある質問から、自作で「わかりやすさ」はどれくらい心がけるか、という踏み込んだ質問まで飛び出した。
ぜひ作家たちが語った「発酵する思考、表出することば」をご覧ください。
ご支援のお願い
個人様からの寄付がレジデンシーの大切な資金源となっています。
寄付ページはこちら <https://congrant.com/project/kyotowriterinresidence/3631>
主催:京都文学レジデンシー実行委員会
共催:立命館大学国際言語文化研究所/龍谷大学/京都芸術大学
協賛:香老舗 松栄堂/DMG森精機株式会社/株式会社グランマーブル
助成:Arts Aid KYOTO(京都市)/ベルギー王国フランス語共同政府国際交流振興庁
後援:京都市/一般社団法人 京都経済同友会
協力:株式会社丸善ジュンク堂書店/株式会社恵文社
共同プロデュース:MUZ ART PRODUCE/CAVABOOKS
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