「ブッシュマンの民話」、まえがき、読了です。
著者の田中二郎先生は25歳から半世紀をわたり、100%自然にのみ依存した生活を送っている狩猟採集民ブッシュマンの住むカラハリ砂漠へ通い、調査を行ってきました。80〜90年代にテープレコーダーで録音した現地の人の語った民話(神話、寓話、怪談など)を日本語に翻訳し、この1冊になりました。
お話の中に登場する動物や植物、神様まで、絶えず人間の姿になり、人と同じように振る舞うという、著者の紹介文を読むと頭の中にすごく不思議なシーンが浮かんできます。
近代化によって、ブッシュマンの生き方もかつてより激変しました。食料を探すため、移動し続けなければならない狩猟採集民も、政府からの救済を受け、定住化しつつあります。音声で記録された民話は変化していくブッシュマンの歴史の貴重な一部でもあり、著者田中先生自身が現地で調査を行った頃の思い出でもあるでしょう。
次回から本文に入ります。
お楽しみに。
田中先生のアフリカ探検物語も面白いですよ。
半世紀の見聞をこの1冊に!