海外ルーツの生徒が、大学入学までに学ぶのにおすすめの日本語テキスト
これまで何回か私の記事に登場した、中国ルーツの女子高生Yさん。
希望の大学に合格を果たし、来月からはピカピカの大学生だ。
実はそんなYさんに、大学入学まで、オンライン日本語授業で何をしたらいいのか、私はちょっと悩んでいた。
どうしたものかなあ・・・なんて考えながら、ネットサーフィンしていたら、いい教材を偶然、発見!
こちらの本だ。
『留学生のためのアカデミック・ジャパニーズ 動画で学ぶ大学の講義』
全部で10課あり、日本の古典文学やら、物理学、異文化理解、社会文化学などといった文系、理系問わずの豊富なラインナップの講義。
そして特筆すべきところは、実際に大学で教えていらっしゃる先生が、15分から30分ほど講義されている動画を無料で見られるのだ。
画面の先生は、そこに受講生がいるかのように講義されている。
それを聞いている私も、本当に大学の教室に座って講義を聞いているような気持ちになるから不思議。ちょっと大学時代に戻ったみたいだ。
でも彼女にとって、いきなり視聴するのはやはり大変だから、「講義を聞く前に」というページで、いくつかの問題に触れて、持っている知識を事前に活性化。いくつか難しい語句を導入することもある。
また、先生によっては配布資料(講義のときに見せるもの)なんかもあるから、さらりと目を通してから、講義を視聴。そのときに、わかったことや、ポイントをメモするように伝えておく。
どんな内容だったか簡単に話してもらい、今度は、ポーズを置きながら2回目を視聴。追加でメモを取り、次は「内容確認問題」で内容をチェック。
それから、このメモや配布資料を参考に自分のノートに講義内容をまとめる。
テキストの後ろにはノート例もあるから、自分でまとめたノートを見比べて、違う点や工夫されている点はあるかなどを、感じ取ってもらう。
私がYさんに対して一番心配なことが、入学後、先生たちの話す日本語のスピードについていけるかという点。生活で使用されている語彙や内容とは違い、講義の日本語は抽象度も高く、難しい内容が多くなるのは自明の理。(もちろん、大学だから当然だけど・・・)
それが、この教材のおかげで、大学の講義の一端がわかり、先生たちの話すスピードにも慣れてきたそうだ。
あ~、良かった・・・
とりあえずは少しでもわかり、慣れてもらえたら、それに越したことはない。
他にも、この本には「発展学習」や「先生からのメッセージ」もあって、視聴後、その内容を違った角度からディスカッションできるのも、面白く、楽しい。彼女も、私が考えもつかない意見を言ってくれるので、嬉しい限り。
このテキストは、講義を聞く練習ができるだけでなく、また深く掘り下げて違う使い方もできる。私も初めて知ったことが多く、なかなか興味深い。おすすめの一冊!(と個人的に思う)
さあ、この本で学ぶのも、あと少し。
全部やり終えたら、わくわくの大学生活が待っている。
もうひと頑張りだね、Yさん!
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