平安時代の和歌と私の名前
「ねえ、ちょっとこれ見てよ!」
大学の日本文学科(中古文学専攻)で学ぶ娘が、コピー片手に驚きの声を上げて私のところに来た。
よく見ると、読み方は少し違うが、和歌の中に私の名字と名前がバッチリとあるではないか!
「何、これ!!!」
驚きのあまり、声がひっくり返ってしまった私。
娘は、平安時代に詠まれた和歌の意味や使用語彙を辞典などでいろいろ調べていて、偶然発見したそうだ。何でも、私のフルネーム(名字と名前は離れてはいるが)が詠み込まれたこの和歌は、平安時代後期の歌集の中の一つらしい。(私も初めて聞く歌集名だ)
有名な歌人や歌集でなくても、自分の氏名が和歌の中に詠み込まれているのは、率直に嬉しいし、歴史のロマンを感じる。
私の名字は書くのは簡単なのだが、初めは100%読み間違えられる。今回、この名字のお祭りがあることがわかったのだ。加えて私の名の方も、これで1つの名詞になっている。氏と名が同じイメージの語彙のカテゴリーに入っていると言える。だから、この和歌の詠み人も、2つ同時に詠み込みやすかったのかもしれない。
私の名は、父方の祖父が名付けてくれたものだ。生まれた時期とも関係あるが、生後数日の新生児の私を祖父が見て、この名前をひらめいた・・・というエピソードを父から聞いたことがある。
私自身は、書きやすいし、読みやすいし、この名前を気に入っている。
遠き平安時代の人も、和語として私の名前を日常生活の中で普通につかい、日々を重ねていたのだろうな・・・と思うと、私自身、平安時代にタイムスリップしたようだ。大げさかもしれないが、ちょっと運命的だ。
連綿と続く歴史の中で、ひょんなことから出会った私の名前。これも1つの運命の出会いかな?
だとしたら、この出会いに感謝し、ときには平安時代を思いながら日々過ごすのも、ちょっとワクワクする。それにこの時代の人々が、この和歌を通して21世紀を生きる私の「専従応援団」になり、パワーとエネルギーを送ってくれているようで、本当に嬉しく、幸せな気持ちになる。
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