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映画『雪の花ーともに在りてー』を見て

笠原良策(かさはら りょうさく)
私は、映画を見るまで、全くこの人の名を知らなかった。

『雪の花 ーともに在りてー』

江戸時代末期、福井藩の町医者だった笠原良策。
蔓延する天然痘から多くの人々を救うため、日本で種痘を広めた第一人者だ。
当時、天然痘は治療法がないため、打つ手もなく亡くなっていく患者を前に、無念な思いを抱く良策。
そんな状況を打開するべく京都の蘭方医・日野鼎哉に入門し、そこで海外で行われていた種痘に着目する。大変な苦労と努力の末、最後は、無事に種痘に成功し、人々を天然痘の魔の手から守ったのだった。

当時は、種痘の「苗」を海外から入手するのにも、幕府への許可が必要だ。その「苗」を運ぶ遠い道のりも徒歩。おまけに、種痘に対して渦巻く偏見。
こんな多くの困難にも負けることなく、良策は自分を信じ、私財を投げうって、人々のために尽くしたのだ。そこには、妻・千穂の温かい励ましや熱意も忘れてはならないだろう。

前例がないことを一番初めに行おうとするのは、まさに闘いだ。
でも、ここで負けていては絶対に事は進まない。強い信念を持ち、前進し続けた良策は、不屈の人だと思う。
思いが通じ、最終的に高額な褒賞が与えられようとも、辞退し一介の「町医者」で生きる笠原良策。これは私欲がなく、ただ人々の幸せを願う彼の純粋な思いからに他ならない。

21世紀の現在では、すでに天然痘は根絶されている。
ひょっとしたら、この病名すら知らない人も多いかもしれない。
それでも、笠原良策のような人がいたからこそ、私たちは今、安心して生きていけるのだ。

彼の生き方は、どんな困難にあってもあきらめず、挑戦し続ける大切さを教えてくれたように思う。

映画を通して、私が知らなかった彼と出会えて、本当に良かった。









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京すずらん
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