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日本語プライベートレッスンで必要だと感じた力

授業中は、本当に驚くことや、とんでもないことが起こる。

先日もそうだった。

オンライン日本語プライベートレッスンをしている中国人女子高生Yさん。いつも挨拶して雑談軽く、そして今日の本題・・・というふうに進む。

でも、何か様子が変。こちらから挨拶しても、顔を上げてくれない。「ん?どうしたんだろう?」と思ったのと同時に、鼻をかむためにやっと顔を上げたYさん。

「え?泣いてるの??」

何とYさんは、目から滝のごとく涙を流していたのだった。授業中にここまで号泣した人は、今まで・・・いない・・・

「どうしたの?一体?」と尋ねる私の声も、うわずっている。

実はこの日は、Yさんの17回目のお誕生日。前日、ご両親からお祝い(お金)をもらったとのこと。でもYさんには、もっと欲しいものがあった。それは、とっても高いもので、高校生が持つには不相応。それに、学業に影響があるというので、ご両親は買うことに断固、反対。でも、反対されればされるほど、ダメと言われれば言われるほど、欲しくなるのが世の常。そこで、Yさんとご両親の冷戦状態が、ずっと続いているとのことだった。

Yさんは、素直で、努力家。とてもまじめで、言われたことはきちんとやる。BTSも好きだけど、相撲やキキョウの花も愛する女の子だ。同世代の女子と比べたら、「超」がつくほど、地味で忍耐強いと思う。

そんな彼女が、絶対欲しい!と両親に反抗までして主張しているのだ。どうやらネット上のアイテム(?)のようなものらしい。(私も初めて聞くもので、イマイチどんなものかわかっていない・・・)

ネット上のものなので、Yさんがのめりこんでしまって勉強できなくなることを、教育熱心なご両親はとても心配されているようなのだ。勉強でいるものや、自分の成長につながるものならOKだけど、それ以外のものはダメ。

私にも子どもがいるので、ご両親の気持ちも、Yさんの気持ちも両方わかる。

「じゃ、Yさんが大学生になったらアルバイトして、そのお金で買うのはどうかな?(もちろん、そのアイテムがそのときまであることが前提だけど・・)」

「両親は、大学でも勉強第一。アルバイトする暇があれば勉強を!と言ってます」

あーそうか・・・大学でもアルバイト禁止か・・・私の代替案は、もろくも崩れ去った。

「じゃ、どうする?」

「私が大学を出て就職したら、何でも自分の好きなものを買います。でも今は・・・このアイテムを時々ネットで見るだけ・・・にします」

少し気持ちが落ち着いたYさんは、寂しそうにこう答えた。

全く個人的な意見だけど、大学に入ったら、学業の合間を見て、負担にならない程度でアルバイトするのは、視野を広めるうえでもいいのではないかと思う。でも部外者の私が、ご両親にこのことを言えば、Yさん一家の教育方針に水を差す。Yさんにも、かなり高いもののようだからやめようか・・と言うのも、自分の意見の押し付けに感じる。

ここで自分に心理学やコーチングなんかの技術があれば、もっと対応が違ったかも?より深く彼女の気持ちに寄り添え、適切なアドバイスもできる。100%とはいかないまでも、なんとなく彼女自身納得し、新しい気づきも得られ、今後を見通せるきっかけが与えられるのでは?と、思った。

そんな力がない私は、このときどうすれば良かったのか・・・・

いまだに答えが出せない私である。





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京すずらん
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