「シャベル」と「スコップ」
1か月ほど前に見た、テレビの天気予報でのこと。
大雪が降ることが予想されるので、
「雪かき用のスコップの準備をお忘れなく」と、
スコップのイラストとともに、気象予報士さんが注意を喚起していた。
イラストを見るやいなや、私は「違うやろ~」と独り言。
関西人の私にとっては、これはどう見ても「シャベル」。
大量の土や雪などを、ザクっとすくい上げるのは金属部分が大きく、持ち手も長いシャベルが便利。両手で握って使うから。
一方で、スコップは片手でも使用可。先が細く、庭いじりなど園芸の時によく使われる。
私が小学一年生だった頃、朝顔の種まきをする前日に、
「おうちに、スコップがある人は持って来てくださいね。」と担任の先生が言っていた。
それに、私の子どもが幼かったころ、近くの公園の砂場に行くときには
いつもお気に入りのスコップ持参。砂場で穴を掘ったり、高い山を作ったり、プラスチックの小さなスコップは大活躍だった。
という理由から、スコップとシャベルは絶対に入れ替えることができない。
だから天気予報で、「シャベル」なのに「スコップ」と説明されると、やっぱり、と~っても気になってしまうのだ。
今までの私の人生で、あくまで「スコップ」は小さく、「シャベル」は大きく長いもの。だからもちろん用途も全く違うものだと、強く強く刷り込まれているから。
ちなみに、JIS規格では足をかける部分があるものをシャベル、ないものをスコップと定めているそうだ。
そして西日本では大型の物を「シャベル」、小型のものを「スコップ」、東日本では大型の物=「スコップ」、小型の物=「シャベル」と、逆に呼ばれているとのこと。
でも、東日本でも混在しているところもあるようだし、話す人の出身地、育った土地によっても使い分けが変わってくる。
だから、もし「シャベル」と「スコップ」の話題になったら、話者同士の居住地や出身地を考えて話す必要があるかもしれない。
わあ、なんか複雑だけど、興味深い。
思わぬところで、こちらが考えもつかない「顔」を見せる日本語。
やっぱり、奥が深いなあ・・・・
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