📖あなたが本を読む理由
◇途方もないほど沢山の本が世界には溢れています。
私は、本を読んでいる人を見ると、その本の名前、そして、その本を手に取ったわけを聞きたくなってしまいます。
電車の向かいに腰かけたスーツ姿のおじさんが目を落とす素敵な革のブックカバーがかけられた本。
夕方の大学の図書館、高いヒールを履いたきれいに巻かれた金髪の女の子が無心で読んでいた本。
いつもバイト先のカフェに来てくれるちょっぴり強面のお兄さんがアイスコーヒーをお供に読んでいる本。
どんなきっかけで、どんな巡りあわせで、出会ったのか。
そんなことが気になってうずうずしてしまうのです。
一冊の本で、一行の文で、一言の表現で、
世界の見え方はがらりと変わってしまうと思います。
そんな力があるのです。
その本に出合えていなかったら見えなかった景色がある。通り過ぎていた景色がある。
私は未熟者で、空っぽで、あまりにも弱い。
そんな自分のままで難しくてややこしいこの世界に立つことはあまりに不安で怖くて。
だから、私は、助けを求めるようにして本を開いています。
あなたが本を読む理由は何ですか。
その本と出合った馴れ初めが知りたいです。