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『なにたべた?―伊藤比呂美+枝元なほみ往復書簡』
はじめて読んだ若いとき「40過ぎても青春のつらさって続くのか」と戦慄した。でも今は、何歳になっても泣きわめいて、笑いころげて、ごはん作って、誰かとわかちあって生きる人生のほうがいい、と思うようになった
と、花田菜々子さんが 『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』で書いていて読みたかった本。彼女の本で紹介されて重版になったらしい。恩返し?も込めて買わねば、読まねば、と本屋で探した。
詩人伊藤比呂美さんと料理研究家の枝元なほみさんのFAX交換日記。
そうなんだよね〜女友達との手紙のやりとりってこういう文体になるなる!「ひろみちゃん いかがおすごしかな。わたしはとてもとても眠い」とか。
花田さんも書いているんだけど、この二人の往復書簡から、ちょっとしんどそうな感じが伝わってくる。伊藤さんは子供が3人いて夫とうまくいってなくて海の向こうに別の男がいる。枝元さんは仕事ばっかしてて、2人の男の間で揺れている。
この人たち、エネルギーがたくさんあるんだけど、壁にぶち当たったりしてうまく回ってない。「これきっついだろうな…」と思う反面、「はー生きてる!!存分に生きてるね!」って感じがする。悩んで、もがいて、おいしいものまずいものを食べて食べさせて、それで分かち合う。
私はむかし、人は大人になるとちゃんとして良い人になって色んなことができるようになるんじゃないかと思っていた。でも会社に入って周りをみてみたら、ワガママな人もずるい人もいた。今は歳を重ねるとその人らしさが煮詰められていくんじゃないかと思っている。別にフラットになって全方位対応可能になってラクラク生きていけるわけじゃない。一生、人はいびつなまんま、どうにかこうにかやっていくのだ。それで時折にっこりしたり、じんわりしたりしてやっていくのだろう。
枝元さんて、もう絶対おいしいものを作る佇まいだよなあ。なんでも来い!みたいな感じでさ。清濁併せのむ感じというか。
伊藤さんははじめて拝見したんだけど、この著者紹介の2人、華やか、色鮮やか、艶やかで女っ!て感じ。(写真はモノクロなのに)美しくて、かっこいい。
27 なにたべた?―伊藤比呂美+枝元なほみ往復書簡