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『もしアドラーが上司だったら』 小倉広

温かい目で部下を見守り、仕事の仕方を教え、人間的成長までも促してくれる上司。現実世界にいないのならば、私は本の世界に師を求めよう。でも本当はこう言いたい。「ドラさ~ん、本から出てきて~ちょっと私の職場なんとかして~!なんだったらタイムスリップして20代の私に指導してやって~!」

米国でアドラー心理学を学んできた上司が会社に戻ってきた。背が低くて太めの猫型ロボットみたいな憎めない彼の愛称は「ドラさん」。主人公は広告代理店で営業をしている若手男性社員のリョウくん。リョウくんが悩んだりすねたりしているとドラさんが適切なアドバイスをしてくれる。羨ましい。彼はめきめきと成長し、気になる営業アシスタントのリカちゃんからのボディタッチが増えたりしてなんだかモテ度も上がっていく。羨ましすぎる。

内容は主にアドラー心理学の「勇気」と「共同体感覚」についてで、リョウくんが悩みにぶち当たるごとに少しずつ、紐解かれていく。「勇気」については自分なりにこういうことかな?ということがつかめたのだが、「共同体感覚」についてはあまりきっちり名言されていなかった。ネットで検索してみたが、解釈がちょっとずつ違ったりしたので、もしかしたらふわっとした領域なのかもしれないし、時間をかけて理解するものなのかもしれないのでこういう表現になったのかもしれない。

「共同体感覚」のまとめや出てきたマトリックスの解説が欲しかったな(ドラさんならできると思う!)、あと舞台となる広告代理店の社風が古い(営業メンバーは男性で、唯一登場する女性はアシスタント。あとダンスとかボディタッチが心配。超杞憂だけどそういうのって炎上広告にうっかり繋がったりするのでは・・・)気がするので、今風にしてはと思ったりもした。本当に読みやすいし、サクセスストーリーだから雰囲気も明るいし、ケーススタディ的なアプローチもよく紹介されているので、よい最初の一歩になりそう。私が理解できた「勇気」の部分だけでも、腹オチができなかった「共同体感覚」についてもただ対応だけ真似して実践すれば、実生活に良い影響が出ると思う。私も色々やってみてるとこ。

125 もしアドラーが上司だったら


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