見出し画像

全員の合意を目指そうとしていないか?

完璧主義の人は、全員の合意を目指す。
上手に力を抜く人は、キーマンへの根回しを徹底する。

下記は筆者の経験による実話ですが、またもフィクション化にしました!

ある先輩は大手製薬会社で営業の仕事をしているので、社内決裁を取る時は本当に苦労しました。一つの決裁に、必要な関係者や、話を通しておく人が20名はいたのです。

完璧主義の先輩は、配属当初、営業部の主任、課長、部長に話を通し、技術部の担当者、課長、部長と回り、企画本部へと順番に一人一人話を通していきました。

結果、一つの提案の合意をとるだけでヘトヘトになっていました。特に説得が大変な人には説明を尽くして、資料を作り直してまた訪問する。こんなことを繰り返して膨大な時間がかかっていました。

(先輩には失礼ですが…)しかし、決裁を取るのが上手な人を見ていると、合意の取り方がまるで違います。一言で言えば、「キーマンを押さえにかかる」のです。


キーマンを押さえると圧倒的に調整が早くなる

社内でも社外でもキーマンと関係ができていると、スムーズに合意を取ることができ、仕事を進めやすくなります。

キーマンと言っても、組織上の役職が高い人とは限りません。人間関係には、役職以外の力関係があり、「あの人が言うなら」と影響力の強い人がいます。

また、その人の性格によって、決裁の相談は先に話を通して欲しいと思う人と、リスク回避から最後の結果だけを持ってきて欲しいと思う人がいます。

のち、先輩は上手に力を抜く人の「決裁の取り方」を観察し、改善をしました。そして、どういう順番で調整すれば全員が納得するのか、事前にシミュレーションをするようになってからは、決裁を通すのが3倍以上も早くなりました。

仮に、一番の難関が技術部の課長ならば、その人が最も信頼を置いている営業部の部長にまず話を通して決裁を得るようにしました。その上で、技術部の課長に話を通しにいくと、「〇〇部長がいいと言ったなら」と楽に合意を得ることができます。また、一気に決裁を取りたい場合は会議を開き、キーマンに予めどのように発言してもらうかを根回ししておきました。

組織・チーム全体を上手に動かすには、影響力のあるキーマンとの関係をよくしておくこと、彼らがイエスと言うツボを知っておくこと、全員の立場を尊重して「頭越しされた」「自分は蔑ろにされた」という感覚を与えないことが大切でしょう。



いいなと思ったら応援しよう!