墓場鬼太郎・第1巻
(V チューバー配信用の台本)
字幕:「墓場鬼太郎」第1巻の感想
字幕:注意! ネタバレあり
良い本を褒ほめます。
詰まらない本も褒めます。
信じる・信じないは、あなた次第。
「今日も優しく、うそを語ろう」
墓場鬼太郎の第1巻を読んだので、その感想を少し話します。
角川文庫から出ている「貸本まんが復刻版 」というやつのキンドル版を買って読みました。
今日は2023年12月2日なんですが、絶賛劇場公開中のアニメ映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」を観るために、その予習として読みました。
出版社でもあり同時に映画製作会社でもあるカドカワは、昔、「読んでから観るか、観てから読むか」というキャッチフレーズを広告に使っていました。
私は、どちらかというと「読んでから観る」派です。
初めに小説なり漫画があり、それを原作にして映画が製作された場合、製作の時系列が「小説→映画」になる訳ですから、やはり受け手(読者・観客)も、その順番で鑑賞するのが良いような気がします。
まあ、絶対のルールというよりは「どちらかと言うと、そう思う」程度の事なんですけどね。
話を、漫画の「墓場鬼太郎」に戻します。
ネタバレも有りますので、ご注意ください。
(少し、間を空ける)
私の子供時代には既に「鬼太郎」といえば「ゲゲゲの鬼太郎」でした。
物心ついた頃には、もうアニメもありました。
妖怪が出てくるとは言え、わりとポップな正統派ヒーローものだったように記憶しています。
今回「墓場鬼太郎」を読んでみて、想像した以上に怪奇色の強いホラー漫画だった事に、驚きましたね。
筆のタッチも、いかにも貸本漫画っぽい劇画タッチです。
鬼太郎の両親が「幽霊族の生き残り」という設定に驚きました。
名前こそ「幽霊」ですが、どちらかというと、今で言うエルフとかドワーフとかに近いイメージの、人類とは別の生物というか種族というか、そんな存在として有史以前から地球上に文明を築いていたという設定です。
鬼太郎は、その幽霊族の最後の末裔という設定です。
1巻の後半に、ねずみ男が登場します。
そのあたりから、少しだけ作風がコミカルな感じになります。
ねずみ男って、最初に登場した時は、ドラキュラの下僕だったんですね。
ねずみ男には、当時のホームレスのイメージも投影されているのでしょうか? そんな気がします。
それと、登場人物が恐怖を感じると顔のアップのコマになって、急にリアルな陰影が付いてペンのタッチが増える感じは、楳図かずおと共通するものを感じました。
今回、鬼太郎について調べてみて驚いたのは、墓場鬼太郎というキャラクターは水木しげるのオリジナルではなく、戦前すでに「ハカバキタロー」という紙芝居があった事です。
戦後、水木はオリジナルの作者の許諾を得て「墓場鬼太郎」を書き始めたという事です。
それでは、墓場鬼太郎の話題は、この辺で。
(少し、間を空ける)
「僕の言うことは全て、うそだ」
と、クレタ人が言った。
「今日も優しく、うそを語ろう」