【noteで学ぶ腸内細菌学67:「ニンニク」は腸内細菌にとってメリットなのかデメリットなのか】
こんにちは(o・ω・o)カエルです。
「ニンニクを食べると腸内細菌が死ぬ」
という情報を聞いたことがありますでしょうか?
ニンニクに殺菌作用があることは有名ですが、その高い殺菌作用によって、腸内細菌の善玉菌も、悪玉菌も、もろとも死滅してしまうというものです。
しかし、「身体に良い」とされているものが「腸内細菌にとって脅威」というのがどうにも信じ難く、今回調べてみました。
なぜなら、
身体に良い = 腸内細菌の改善
であることが多いからです。
てことで紹介していきます。
□「アリシン」が腸内細菌を殺す
というのが一般的な知識。
アリシンとはユリ科の植物に含まれる栄養素の1つで、ニンニクや玉ねぎに含まれるニオイ成分/辛味成分です。
玉ねぎ、ニンニク特有の匂いと辛味はこのアリシンのものです。
そしてアリシンには、
・体内でビタミンB1と結合してアリチアミンとなり、ブドウ糖からのエネルギー産生に効果を発揮する
・疲労回復
・新陳代謝の活性化
・血栓の予防
・風邪の予防・改善
・血中脂肪の燃焼促進
・コレステロール値の抑制
・がんの予防
などの効能があることが解っています。
で、問題になるのがアリシンの「殺菌作用」です。
アリシンはニンニクを「刻む」「擦る」など傷つけることで生まれる成分(アリインという成分が傷つくとアリシンが生成される)で、アリシンを摂りすぎると「腹を下す」「胃が荒れる」「腸内細菌が死ぬ」と言われています。
2019年、2020年のマウス実験ではアリシンを与えたマウスの腸内細菌が変化、ビフィズス菌・ラクトバチルス菌(ともに善玉菌)が有意に増加。
短鎖脂肪酸の生成量の増加が確認された。
同時に、脂肪の分解効果を高め肥満の改善。
体内炎症の低下、血液代謝の促進が確認された。
とのこと。
マウス実験とはいえ、腸内細菌全てを殺すというのがデマであることは解った訳です。
そして案の定、善玉菌の増加にアリシンが貢献していることが解り、体調改善にアリシンによる腸内細菌の増加が関連している証拠にもなったという話。
ちょっと安心させられる内容でした(o・ω・o)
□ニンニクは脳機能の改善にも貢献する
ルイビル大学によるマウス実験で、
ニンニクから抽出した「硫化アリル」という成分を老マウス(ヒトの56〜69歳にあたる)に与え、与えたグループと与えていないグループの脳機能の差を比較
【結果】
・短期記憶&長期記憶が改善
・脳機能の低下に関わる遺伝子(NDNF[ニューロン由来の神経栄養因子])の発現が変化
・硫化アリルを摂取したマウスは硫化水素が増加し、腸内の炎症が減少した
【結論】
・ニンニクの摂取で脳機能が改善した
という感じ。
脳と腸が繋がっているのは最近有名になってきましたし、腸内環境が改善すると脳の炎症も改善するので脳機能が向上するのは筋が通る話です。
そして実験に使われた「硫化アリル」ですが複数種ある硫化アリルで代表的なのが「アリイン」であり、前項で紹介した「アリシン」の前身です。
ということなので、「アリシンで胃腸が荒れる」というのもデマである可能性は極めて高いという話。
と言うか「摂取量の問題」の可能性が高いです。
最後の項では「アリシン」のデメリットについて紹介します。
□「アリシン」はアレルギーの原因になる可能性がある
「アリシン」は分解されると硫黄化合物の「ジアリルジスルフィド(二硫化アリル)」となる。
「ジアリルジスルフィド」はアレルゲンになると考えられている物質。
二硫化アリルは皮膚刺激性を持ち、アレルゲンとして作用する。特に調理師や主婦に起こるニンニクアレルギー(ニンニクによるアレルギー性接触皮膚炎)の主要因。
とのこと。
「アリイン」「アリシン」そのものは身体にプラスに働くことが解っていますが、アレルギーの原因になる可能性もあります。
摂取量によってはお腹を壊す可能性があるというのはここから来ているわけですね。
✅ニンニクの推奨摂取量は「1日1片」
と言われています。
「アリシン」はニンニクを刻んだり、すりおろした時に増加しますが、油で加熱すると成分が壊れにくくなり、加熱後のニンニクであれば「2〜3片」食べても問題はない。とされています。
✅生のニンニクや玉ねぎを食べすぎるのは要注意
という感じですね。
ニンニクそのものはやはり身体にメリットが大きい食材なので、日常的に摂っていきたいですね(o・ω・o)ノシ
【参考記事】
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