窓側は空けておいたよ 本当は誰かの特等席だから
世界を統べるのに必要な力は、超人的なパワーでもなく、恐るべき武器でもなく、信号機を自由に点滅できる力かもしれない。
それほど、拠り所にしているルールを信じられなくなったときの人間はあまりにも脆く、何もかもを穿った目で見るようになってしまう。
赤青黄色の光を目にすると、誰もが思い浮かべる信号機。夜道を歩いているときにふと仰ぎみると、とても人工的な色彩で、ふと怖くなる瞬間がある。
それにしても、これからどれだけ文明が発達したとしても、あの形の信号機のままなんだろうか。
もっと便利なものが発明されたりして。
aquarifaの楽曲を初めて聴いたとき、水飛沫のような一瞬のきらめきを放つ、流麗さに魅了された。
さまざまなギターの音色によって奏でられる、透き通るような楽曲のなかに、ボーカル岩田真知さんの凛とした歌声が響く。
大学生のころコピーして演奏することもあった『水平線のむこうがわ』は、もうここにはいない誰かを想ったナンバー。
aquarifaの曲のなかでも、一際、静かに流れていく楽曲は、砂浜に押し寄せる波の音を聴いているときみたいに、胸が締めつけられるのに、心が休まるような、不思議な気持ちを宿してくれる。
2017年に活動を休止してから、もう一度、復活してくれてうれしかった。ライブを観にいける日がまた来ればいいな。