二度と来ない今日に傘を差して
いつの間に、こんなにも涼しくなったんだろう。
外を歩くだけで汗が噴きだしていたのが、つい昨日のことのように感じられる。この気候ができるだけ長く続いてくれることを祈っている。
そして、それだけ涼しくなったら格段に走りやすくなるだろうと、夜ランニングを始めてから、初めて10kmを目標にして走ることにした。
そんな記念すべき一歩を踏みだしたとき、ポツポツと雨が降りだす。普通に外に出るのもためらってしまうくらいに、雨は強くなっていった。
でも、覚悟を燃やしてしまっては、走りださずにはいられない。
早く帰ってあったかいシャワーを浴びたい気持ちと、耳につけているワイヤレスイヤホンが今にも水没しないかと不安になる気持ちを抱えたまま、勢いを増す雨の中を走り抜ける。
そんな想いが功を奏したのか、想像をはるかに超えた好タイムを記録して、きっかり10kmを完走することができた。
誇らしくなって更新したインスタのストーリーで、複数人から「速すぎない?」と返信がくるくらいには速かった。
逆境こそが人を強くする。
誰が言ったか知らないけれど、多分そう。
2月なのにセプテンバーという、なんとも奇妙なタイトルの楽曲は、大学生のころに知ったGOOD ON THE REELの印象深いナンバー。
雨の日になると、ふと聴きたくなってしまう想いが湧いてくるほど、GOOD ON THE REELは雨のイメージが強いバンドだった。
実際、アルバム名やジャケットにも雨を連想させる言葉が多くあって、この「2月のセプテンバー」の歌詞やMVにもたくさん登場する。
本当はライブでコピーして演奏してみたかったのだけど、なんだかタイミングが合わず、実現することはなかった。
この曲だけは、いつかバンドで弾けるようにと練習をしていたから、またどこかで機会があれば演奏してみたいな。
傘を忘れたら後悔するような、雨の日に。