夜を駆けるときに聴いてほしい。ランニングにオススメの楽曲たち
最近、夜ランニングを始めた。
家にいるときは、ほぼ椅子に座りっぱなしの日々だったので、とにかく体を動かしたいとうっすら考えていた。
そして、いざ「走る!」と決めてからは、晩ごはんを食べる前、ちょうどひと段落ついたころに走りに出かけている。
最初は2kmも走れば息も絶え絶えだったのが、なんとか根性で食らいついていると、5kmくらいなら30分で走りきれるようになった。
ランニングは目に見えて速くなっているのが、肌で実感できるのが良いところだなと思う。過去の自分を上回ろうとする「負けず嫌い精神」もちゃんとプラスに作用している気がする。
そんな日々のランニングに欠かせない存在と言えるのが、走りながらでも聴くことができる音楽。
自分はSpotifyでプレイリストを作っている。
そして、このプレイリスト作成がすこぶる楽しい。
個人的には明るいポップスでもなく、ガンガンにロックな音楽でもない。適度なペースでのれて、なおかつ、静かに心が沸きたつものが好き。
「がんばれ!」って言葉で言われるよりも、がんばっている姿を目の前で見せられるほうがよっぽど燃える。そんな感じ。
とにもかくにも、今回は、夜ランニングを始めた自分が独断と偏見でチョイスした「夜を駆けるのにピッタリな曲」を紹介しようと思う。ではでは。
ミュージック/サカナクション
まず、紹介したいのがサカナクションの『ミュージック』。
そもそも、サカナクションと夜の相性が良すぎる。シンプルなビートに響くエレクトロな音楽と、Vo.山口一郎さんの淡々とした歌声が、夜の静けさをいっそう際立たせてくれる。
跳ねるリズムに自然と体が揺れて、2番のAメロに入ったところで完全に心をつかまれる。ここのベースめっちゃカッコいい。
そして、極めつけはラストの大サビ。
3分53秒から流れるDメロでメンバー全員の大合唱が始まると、人目も気にせずにいっしょに歌い出したくなる。そんな衝動をグッと堪えながら脚に力を込めているので、おのずと走りも速くなるに決まっている。
ちなみに『さよならエモーション』や『ナイトフィッシングイズグッド』もサビの盛り上がりが最高なのでオススメ。一曲のなかで2段階くらいスピードアップが可能。
というか、夜ランニング用のプレイリストを作成するなら、サカナクションをシャッフル再生するほうが手っ取り早いかもしれない。それくらい「夜×ランニング」とマッチしすぎてる気がする。
FAIRWAY/スーパーカー
スーパーカーを聴くようになったのは、随分と最近の話。名前は知っていたのに、今まであまり触れてこなかった。
それなのに、友だちに今度、スタジオで演奏する曲として『Lucky』が候補に上がり、あらためてスーパーカーを聴きはじめたら、一瞬でその世界観のハマってしまった。
特に『FAIRWAY』の疾走感は、ランニング中にうってつけ。歌詞に漂う焦燥感にもあてられて、本当に夢中で走り出したくなる。
そんな言葉を聴いて、じっとしていられるわけがない。
ずっと遠くまで走り出したい気持ちになった。
あまりにも歌詞が柔らかく刺さるので、脳が耐えきれずに、アドレナリンが放出されまくってるのかもしれない。
その一閃/さよならポエジー
さよならポエジーの音楽は、たったひとりで聴いていると、一言一句、言葉が日常になだれこんでくる。
こんなにも鬱屈とした感情を、大切に燃やし続けることができるんだと驚いてしまう。
そして、ひとりで走っている時にこそ『その一閃』という楽曲は、今にも消えかかりそうな覚悟に火を灯してくれる。
静かに熱を帯びていく音楽は、ただ最後のサビの一節に向けて、少しづつ少しずつ心に火を焚きつけていく。
心細い夜でも、その火を胸に燃やしつづければ、きっといつまでも走ることができる。そう思わせてくれる。
あらしのよるに/w.o.d.
いきなり余談をはさむと、こないだ生で観たw.o.d.のライブは本当にカッコよかった。
「どの目線で言ってるんだこいつ」って感じだけれど、3ピースでこれだけカッコいい音楽を愚直に鳴らしつづける人たちがいるんだと、誇りに思った日だった。
そんなw.o.d.の曲は、ひたすらに音を歪ませたグランジロックが多いけれど、そのなかでも『あらしのよるに』は、ギターのストロークからはじまるゆったりとしたロックバラード。
夜の帳が下りるころに聴くと、よりVo.サイトウタクヤさんの歌声が染み渡る。ランニング中は、少し息も落ち着いてきた中盤くらいに聴くのがベスト。
ワンダーフォーゲル/くるり
くるりの音楽はランニングしているときに、ちょうどいいゆったり感だと思う。
寂しさと物悲しさを明朗なメロディにのせる岸田さんの歌声は、どこかアンバランスなのに、くるりの音楽にはぴったりとフィットする。
『ワンダーフォーゲル』も、エレクトロな音楽に疾走感が混ざり合っていて、朴訥とした歌声で歌われた明るいサウンドが特徴的。
しかし、歌詞に耳を傾けてみると、ともに歩いてきた友との決別を歌っているようにも感じられる。
道は違えても、それぞれ前へ進みつづけるしかない。そんな想いにもひっぱられて、いつも真っ暗な夜の道を走っている。
夜を駆ける/スピッツ
『夜を駆ける』というタイトルのとおり、ピアノとギターから始まるイントロですでに心を射止められる。脳内では夜の街が鮮明に思い浮かぶ。
そして、冒頭の歌詞が「研がない強がり…」で始まるのだから、もうスピッツはすごい。言葉の奥行きに魅せられる。
サビでは、恋人との逃亡劇を思わせる歌詞を淡々と歌いあげる、草野マサムネさんの歌声も最高なのだけれど、特筆すべきは崎山さんのドラム。
風を切るような疾走感と力強いスネアの音。ていねいかつダイナミックなドラミングにまんまとのせられて、自然と走っている身体のギアも上がる。
何となく、スピッツは朝に聴きたくなる曲が多いのだけれど、この『夜を駆ける』だけは、暗闇を走りぬけるその瞬間にこそ聴いていたい。
◇
ひたすらに好きな曲をひけらかした記事だった。しかも、最初は5曲で想定していたのに、選びきれなくて6曲に。まったく悔いはない。
もし、読んだかたにも自分だけの「夜を駆ける」プレイリストがあれば、ぜひぜひ教えてほしい。オススメの曲もあれば。