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きみをまっていた

中学生の頃、きみとの待ち合わせ場所は、陸橋のたもとだった。自転車に乗ったきみが向こう側からやってくるのをいつも待っていた。
付き合っていたと言っていいのだろうか。ぼくはきみに好きだと伝えていなかった。もちろんキスだってしていない。だけど毎日のように陸橋のたもとで会っていた。この時間がいつまでも続けばいいと思っていた。きみはいつもいい匂いがした。髪の毛が揺れると、その匂いがふわっと広がった。ぼくはきみが大好きだった。

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