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ファイナンス、人材戦略...スタートアップの事業化を阻む壁を乗り越えるには?【Startup CXO Meeting 柏の葉 イベントレポート】
事業の成長加速を目指すディープテック系スタートアップの招待制CXOコミュニティ「Startup CXO Meeting 柏の葉」は、2月27日、柏の葉カンファレンスセンターにてコミュニティ立上げイベントを開催しました。
前回の記事でもご紹介した通り、柏の葉は事業を加速させたいスタートアップにとって、最適な環境が用意された街です。「KOIL MOBILITY FIELD」などのプロダクト開発に必要な施設はもちろん、商業施設やオフィス、マンションを活用した技術やサービス実証、住民に意見を直接きけるマーケティング実証といった他の地域ではなかなか対応が難しい要望にも一気通貫で対応できるため、スピーディーに実証プロセスを進めたいスタートアップにとっては理想的な環境。
そんな柏の葉に、国内外から12社のテック系スタートアップを始め、自身もテック系スタートアップの創業時のメンバーとしてEXITを経験し、現在はアーリー期のスタートアップへ投資をしているCarbide Ventures 堀内健后氏や、エンジェル投資家として主にIT系の多数のスタートアップ支援に取り組む伊藤光茂氏ら、およそ30名が集いました。
今回はイベント当日の様子をレポートします!
より深く。クリティカルに。内容非公開だから話せる「本当のこと」
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「Startup CXO Meeting 柏の葉」の大きな特徴は、イベントで話した内容は完全非公開であることです。
表面的な話で終わらせず、自分たちに実際起こった修羅場や失敗を共有しながら、事業化に向けて意義あるケーススタディや議論をしてほしい。参加者同士がお互いにより刺激し合い、成長につなげられる場所を。そんな思いから参加者全員がNDAを結ぶ完全非公開のコミュニティとしてイベントがはじまりました。
まずイベントの始めに、主催者である三井不動産の佐々木氏より「Startup CXO Meeting 柏の葉」の概要や設立背景が説明されました。
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これまで同社ではシード期によったビジネスプラン作成などの支援に取り組んできましたが、成長フェーズのスタートアップより、事業化に向けて「経営層の横のつながりが欲しい」「成長スピードを上げるためのヒントが知りたい、共有したい」「多くのケーススタディから自分の正解を見つけたい」といった声が上がってきたことを受け、より気軽にかつクリティカルな意見交換ができる場として「Startup CXO Meeting 柏の葉」の設立に至ったとお話され、参加者に向け「この場限りだからできる相談やアドバイスは、きっとみなさんの今後の成長につながると思います。僕らもできる限りサポートしたいと考えているので、ぜひ柏の葉を使い倒してください!」と呼びかけました。
そんなことが...?盛り上がった経営者たちの「これまでの失敗体験」
各参加者の自己紹介の後は、経営者たちが実際の「失敗体験」を共有するトークセッションを行いました。
スタートアップを経営していくなかでは、資金調達や製品開発、人材採用、協業などを行う際、予想だにしなかったトラブルや失敗が発生し、事業成長の壁となってしまうことが多々あります。そうした壁を乗り越えるためには、的確なアドバイスやノウハウが必要となってきますが、外部の人にはなかなか相談しにくい話題のため、スタートアップ経営者は独自の考えや手法で乗り越えていかざるを得ないことが多いのが実情。
そこで、イベントでは事前に「これまでの失敗体験」を募集し、共有してお互い学び合える場を用意しました。スタートアップがぶつかる壁について、参加者が共感できるたくさんのエピソードが飛び出し、「その時どうした?」「どうやった?」と積極的に議論が交わされました。
【トークセッションで話題になったエピソード】
・資金ショートの危機...その時どう動いた?
・創業時の根拠のない自信と現実を突きつけられた瞬間
・開発資金の見通しの甘さ
・大企業との共同開発でありがちなトラブルとその回避策
・技術者である創業者は、プロ経営者とどう付き合う?
・投資家やCFOの選び方、フェーズによって異なるCFOに求めるべき能力とは
時に笑い話を交え、本音トークが飛び出しながら進んだトークセッション。アドバイザーや先輩企業からのアドバイスに真剣に耳を傾ける場面もあり、有意義な時間とすることができました。
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話し足りないテーマに分かれてネットワーキング
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トークセッションの後は、資金調達やマーケティングといったテーマごとに分かれてのネットワーキングを行いました。改めて自社が抱える課題の相談をする方や、先輩企業の体験談や経験豊富なアドバイザーからの投資家目線のアドバイスに耳を傾ける方など、この場を最大限活用しようとする参加者の熱気でとても賑わいました。
閉会後は「他のスタートアップの方々が資金面や人材面において直面している課題について伺えたことは、大変有意義でした。今後は顧客開拓や海外展開など、テーマを絞ってより深く議論していきたいです」といった声が聞かれ、次回の開催に向けた準備も着々と進められています。
以上、今回は「Startup CXO Meeting 柏の葉」の記念すべき第1回イベントをご紹介しました。
今後も順次活動を発信していきますので、ぜひご注目ください!
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「Startup CXO Meeting 柏の葉」とは
「SPEED UP!START-UP!」をコンセプトに、主にアーリー~ミドル期のディープテック系スタートアップを対象にした招待制の成長支援コミュニティ。スタートアップ経営者がスピードと戦略性を持って経営課題を乗り越えるためのヒントを、事業領域を横断した横のつながりや、元スタートアップ経営者のアドバイスなどから見つけることのできる場を提供します。
柏の葉スマートシティとは
「世界の未来像」をつくる街、として環境共生都市、健康長寿都市、新産業創造都市の3つの取り組みにより、新たな価値を生み出す街づくりを行っています。
コワーキングオフィス「KOIL」や実証フィールドである「KOIL MOBILITY FIELD」、国際的イノベーションアワード「Asia Entreprenuership Award」(2012年~)、シード期のスタートアップ向けアクセラレータープログラム「KOIL STARTUP PROGRAM」(2022年~)、実証プロジェクトを受け入れる「イノベーションフィールド柏の葉」(2018年〜)といったスタートアップの成長に適した環境が整っており、新しい価値創造に向けた画期的なプロジェクトが進められています。
【お問合せ】
●コミュニティ運営:Story Design house株式会社
Startup CXO Meeting 運営事務局:cxomtg@storydesign-h.com
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