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4月28日 なぜ缶容器はPET容器に負けたのだろうか?

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための問いの例はこちら。

→現在、飲料容器の76%はPETボトルである。2000年までは缶容器のシェアが高かった。リサイクル率は缶容器の方が高い。なぜこのようなシェアの逆転が起きたのだろうか?


1954年のこの日、明治製菓が日本初の缶ジュース・明治オレンジジュースを発売した、「缶ジュース発売記念日」です。

缶ジュース。
そういえば最近みかけないですね。ペットボトルばかりで。
今回は、中身ではなく容器について調べてみました。

まず、清涼飲料市場の規模ですが、全国清涼飲料連合会の「清涼飲料水統計2021」によると、2020年で3兆7,978億円、対前年92.7%となっています(下図)。コーヒー飲料、茶系飲料、炭酸水、のシェアが高いことが分かります。

これに対する容器の内訳ですが、同資料によると、なんと、4分の3はPETボトルで、缶は2位ではあるものの、11.1%となっています(下図)。多いとは思っていましたがこれほどとは…

昔は缶も多かったと思うのですが、いつ頃からこれほどのシェアになったのでしょうか?
同連合会の「容器別生産量推移」というデータでは2010年からの推移が分かります(下図)。

2010年にはすでに圧倒的、で、さらに差が開いた、ということが分かります。

2010年以前のデータとして、社団法人全国清涼飲料工業会の「清涼飲料におけるリユース製品の現状と課題」にデータがありましたのでご紹介します(下図)。

これによると、1993年には圧倒的に缶が多かったのですがPETボトルが逆転したのが、2000年です。以降はその差が開く一方だったことが分かります。

なぜこれほどPETボトルが伸びたのでしょうか?

ちょっと調べてみたのですが、はっきりしたことは分からないのですが、
☑️ 炭酸飲料が増えたことで圧力に耐えられるPETボトルが増えた
☑️ 蓋が閉まるという点で一度に飲み干さなくて良い利便性でPETボトルが増えた
☑️ メーカー側の差別化意向としてデザインの自由度が高いPETボトルが増えた
といったところが考えられます。

もう一つ大事な観点としてリサイクル性の高さがあると思います。

スチール缶リサイクル協会で他の素材のリサイクル協会が公表しているリサイクル率をまとめた表がありましたのでご紹介します(下図)。

PETボトルは85.8%(2019年度)となっていて思った以上に高いものの、スチール缶、アルミ缶94.0%(2020年度)に比べると低い水準になっています。

こうしてみると、PETボトルのシェアが圧倒的なのはもっぱら利便性、なのでしょうか?

→利便性とリサイクル性、常に問題となるが、近年の傾向では多少利便性を犠牲にしても環境を重視、というものだ。一方で、こうした身近な消費財では利便性を選んでいるように思える。こうした消費者の動きをマーケティングで解決することは可能だろうか?


最後までお読みいただきありがとうございました。

こうした「頭の体操」ネタを一昨年7月から続けています。
だいぶ溜まりました。よろしかったら見てみてください。


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