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2月2日 「KOBAN」は世界共通語!?

今日は何の日?をビジネス視点で掘り下げ「頭の体操ネタ」にしています。
今日の「頭の体操」用質問例はこちら。

→交番の機能はそのままに、コストを半分にすることができるとしたら、どんな方法が考えられるだろうか?


1881(明治14)年のこの日、1つの警察署の管内に7つの交番を設置することが定められた「交番設置記念日」です。

町の中に交番の建物を置き、そこを中心に制服の警察官が活動するという交番の制度は、1874年に東京警視庁が設置した「交番所」が世界初のものでした。


当初は、施設を伴うものではなく、警察官が警察署から徒歩でパトロールを行いながら、交替で立番する場所として指定された地点を言いました。
1881年より「交番所」に建物を建てて警官が常駐する現在のような形になりました(ですから、「交番」の名前の由来は、「交替で番をするところ」から来ているのです。警視庁のHPにも書いてあります…)。

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さて、交番。全国にどれくらいあるのでしょう?
「令和3年版 警察白書」によると、2021(令和3)年4月1日現在、全国に交番は6,253箇所、駐在所は6,185箇所設置されているそうです。


ちなみに、「交番」と「駐在所」との違いは、以下の通りです。
(出典:警視庁HP

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つまり、「交替する人がいるなら「交番」、1人だったら「駐在所」」ということです。こだわってます…

交番の数の推移を調べたですが、警視庁などでも長期のものが見つからず、ある論文に「警察署・交番・駐在所数の推移」がありましたので以下に転載します。

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これによると、警察署・交番・駐在所を合わせた数は、1992(平成4)年には16,500以上あったものが、2011(平成23)年には14,000程に減少しています。


別の資料による、2009(平成21)年から2018(平成30)年までの交番の数の推移データによると、6,216箇所から6,260箇所とほぼ横ばいです。

何が減少しているかというと、駐在所です。


なぜなら、駐在所は1人の警察官が家族とともに赴任し、その地域の安全を見守るのですが、必然的に夜間が手薄になります。24時間化した現代に合わなくなっていること、警察官とその家族にも負担となること等から徐々に交番への統廃合が進められているようです。

日本で最初にできた「交番」という制度、海外にも知られているようです。警視庁のHPに以下のような記述があります。


SUMOやKABUKIと同列に語られていますね…

どうやらD・H・ベイリー氏が世界に知られるきっかけを作ったようです。

調べると、彼は、日本の警察官に数百回ものインタビューを行うなどして、

“FORCES OF ORDER: Police Behavior in Japan and the United States”
(1976年刊、翻訳書『ニッポンの警察―そのユニークな交番活動』1977年刊)


という著書で、日本に犯罪が少なく治安が良い大きな理由は、都市に交番が設けられ、全国各地に駐在所があり、警察官が地域において住民と良好な関係を築いていることだ、という研究を発表したそうです。

KOBANシステムは、アメリカ、ラテンアメリカ諸国、アジア諸国など幅広く導入されています。

有名なところでは1993年にニューヨーク市長となったジュリアーノ市長が治安回復のためにKOBANシステムを取り入れるなどして犯罪率削減、治安回復に大きな成果をあげました。

また、ブラジルではJICA(国際協力機構)と日本の警視庁の支援を受けてKOBANが作られたことが、JICAのHPで紹介されています。


なお、一部の世代の方にとっては、あの「両さん」がいる「派出所」は?と思われるかもしれません。
実は、「派出所」=「交番」だそうです。

正式名称が「派出所」だった時期が長くあるのですが、「交番」の呼び名が世界的にも定着していることから、1994年に「交番」の方を正式名称とすることにしたそうです。

→KOBANが世界で良い仕組みとして受け入れられたように、我々が当たり前と思っていることで海外では価値があるであろうものには他にどんなものがあるだろうか?


最後までお読みいただきありがとうございます。
過去の投稿は以下にまとめていますので頭の体操ネタに覗いていただければ幸いです。



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