#408 VUCAの時代には「質問力」より「問い力」が重要。
「質問」と「問い」。ともによく使う言葉ですが、改めて考えてみると、根本的かつ重要な違いがあるなぁ、と思ったのでメモ。
1、「質問」と「問い」って違うの??
「質問」と「問い」の違いって、なんでしょう?
まず、辞書(広辞苑)を調べてみると以下の通り。
☑️「質問」
疑問または理由を問いただすこと。「―に応ずる」
☑️「問い」
①問うこと。たずねること。聞きただすこと。質問。「―を発する」
②問題。設問。「後の―に答えよ」
同じじゃん!
と、言いたくなりますね…
2、実際の使う場面で違いを考えてみると…
辞書的には同じような意味でしたが、言葉が違うのであればやはり意味するところに多少なりとも異なる部分はある、はず、です。
以下の2つの文章でみてみましょう。
☑️ 人生の意味を質問する。
☑️ 人生の意味を問う。
いかがでしょう?違いを感じますでしょうか?
それはどのようなものでしょうか?
頭に浮かんだ質問する人・される人、問う人・問われる人、はどんな関係でしょうか?
もう、個人的な感覚でしかないのですが、私が浮かんだのは、
☑️ 質問する人:取材者や生徒
質問される人:著名人や教授、先生
☑️ 問う人:人
問われる人:その場にいる人全員(問う人も含む)
というものでした。
この違いは、というと、
☑️「質問」は質問される人がその答えを知っていることが前提(質問する人は答えは知らない)
☑️「問い」は問う方も問われる方も答えを知らないことが前提
ではないかと。
3、VUCAな時代には「質問力」より「問い力」が必要とされる?
過去、研修講師をしていた経験上ですが、なぜ質問が大事か、というと、相手自身に気づいてもらうことで行動変容につなげることができるから、です。(人は自分自身に最も説得されるもの、です)
コーチングなどで質問が多用されるのはこのためです。
ただ、いずれも「相手は(気づいているかどうか別にして)答えを知っている」ことが前提になっています。
VUCAの時代は誰もが答えを知らない時代とも言えます。
となると、「質問」では足りないことも出てくるのではないでしょうか?
そこで重要になってくるのは、皆が知らないことを前提として投げかけられる「問い」であり、皆の思考を刺激し、効果的な対話を促すような「問い力」ではないでしょうか?
なんてことを「質問」と「問い」の違いを考えていて気づきました。
4、まとめ
いかがでしたでしょうか?
質問力マニア、と名乗っています。
でも、もう時代遅れかもしれません。
問い力マニア、に改名しようかなぁ…
と、こうした、知らず知らずに固着してしまっている意識や考えに揺さぶりをかけるのが、「良い問い」、なのかもしれません。
そして最も力を発揮するのが、複数人が、「問い」に答えようと対話するなかで、お互いに触発され、それぞれは思いもよらなかったような答えを導き出す場面ではないでしょうか。
「問い力」、考え続けたいテーマの1つとなりました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
「問い力」。その反対側では「聞く力」が大事になってきます。
以前以下のような投稿をしていましたので、合わせてご参考まで。