7月26日 10回以上訪れるリピーターが3割もいる日光。
普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための質問例はこちら。
820年(弘仁11年)のこの日、弘法大師が日光山を命名したことに因んだ「日光の日」です。
元々は「二荒山(ふたらさん)」と呼ばれていたが、二荒山に登った弘法大師(空海)がその景色に感動し、「二荒」を「にこう」と音読みし「日光山(にっこうさん)」と命名したといわれている。
二荒山は中禅寺湖の北にある男体山(なんたいさん)の別名。
日光。
関東の小中学校では修学旅行の定番(今は分かりませんが…)ですし、東照宮、華厳の滝、日光江戸村、等たくさんの観光スポットがあって人気の観光地というイメージです。
日光市「日光市観光客入込数・宿泊数調査結果」によると、東日本大震災前年の平成22年までは日光市を訪れる人は年間1100万人台で推移、平成23年には852万人まで落ち込みますが、令和元年には1181万人まで回復していました。それが、昨年令和2年には834万人、令和3年には789万人まで落ち込んでいます。
中でも宿泊する人は令和元年の329万人から令和2年には185万人とほぼ半減し、令和3年には169万人とさらに減少しています。
以下の令和元年(ピンク)、同2年(紺)の月別の推移を見るとよく分かりますが、1回目の緊急事態宣言が出された4月5月に大きく減少しています。
ちなみに、令和2年(ピンク)と3年(紺)の比較はこちら。
このように大きな影響を受けた日光市の観光業ですが、具体的な金額ではどれくらいの影響を受けたのでしょうか?
人数としては392万人の減少、うち宿泊者の減少は160万人、というのは分かりましたので、単価が分かれば概算を算出できます。
日光市「日光市観光振興計画に基づく観光実態調査報告書」によると、一人当たりの旅行費用の総額は、日帰りは6,176円、宿泊は25,058円となっています。
☑️ 日帰り減少232万人×6,176円=約143億円
☑️ 宿泊減少160万人×25,058円=約400億円
合計、約543億円の影響があったと推計されます。
それにしても、毎年1千万人を超える人が訪れるということは、もちろん訪日客もいるものの、複数回訪れる方がいることになります。
同報告書に「これまでの日光市の来訪回数を教えてください」というアンケート項目がありその回答が以下の通りで、宿泊では4〜9回が最も多く26.1%、日帰りでは10回以上が最も多く38.5%を占めています。
やはり、リピーター、すごいです。
では、どのようなところに満足して再訪しているのでしょうか?
やはり同報告書に「日光市で満足したものについて教えて下さい」というアンケートがあります。日帰りと宿泊とで分けてまとめてありますのでご紹介します。
まず日帰りの方の回答。
1位が自然景観(55.7%)、2位が歴史文化や伝統(46.6%)、3位が食や物産(32.1%)となっています。
次に宿泊の方の回答。
1位が自然景観(59.9%)、2位が温泉(54.4%)、3位が歴史文化や伝統(46.8%)となっています。
このように観光資源がたくさんあり、宿泊するに足る温泉という資源もある、という日光、やはり観光地としてのポテンシャルは高いですね。
なお、今回ご紹介した統計はいずれも日光市でしたが、日光市では「日光市観光振興計画」を策定し観光地としてのさらなる発展を目指しています。
中にはSWOT分析があったりなかなか濃い内容です。
最後に、特に近年、訪日される観光客に人気、だそうで、Trip Advisorの「外国人に人気の観光スポットランキング2020」では、日光東照宮は日本で7番目に人気の観光地となっており。5点満点中4.5点という高得点だそうです。もちろん1999年に世界遺産に登録されたこともあるのですが、宗教観の違いが海外の方の興味を引く、との説があり興味深かったのでご紹介します。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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