6月29日 縮小する「佃煮業界」で成長するには?
はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための質問例はこちら。
東京都台東区東上野に事務局を置き、佃煮を扱う全国調理食品工業協同組合が制定した「佃煮の日」です。
日付は、佃煮の発祥の地である東京・佃島(中央区佃)の守り神である住吉神社が1646(正保3)年のこの日に創建されたことに因みます。
佃煮。
いきなり脱線なのですが、水産庁のHPに「佃煮の世界」というコーナーがあり、「水産庁職員は仮の姿、佃煮エージェントのK」さんなる人が、佃煮の歴史を紹介しています。本能寺の変と関係があるそうで(諸説あります)、ご興味がございましたら以下ご覧ください。
さて、佃煮の市場規模を、と思ったのですが、佃煮というのは主には魚介を材料としますが、広くは牛肉だったも含みますのできっちりしたものは見つけられませんでした。
市場規模を他に見る方法はないでしょうか?
佃煮といえば…
そう、フジッコさん、ですね(個人の感想です)。
同社のIR資料を確認したところ、「昆布佃煮」の市場規模推計値と同社のシェア推移がありました。
これによると、2021年の「昆布佃煮」の市場規模は355億円。
24年予想が327億円ですから、縮小市場と言えます。
そして、驚いたのがフジッコのシェア。なんと50%を超えているんですね。
ついでなので、フジッコさんの製品別売上高を見て見ましょう。
昆布製品は、塩昆布、佃煮、とろろ昆布、といったところが柱のようです。
次に農林水産省の水産加工統計調査で佃煮を含む食用加工品生産量を見てみます。
令和2年の食用加工品生産量は143.6万トンで、ねり製品、冷凍食品、塩蔵品、などの順で多くなっています。
佃煮は「その他」に含まれ、しかも、「こんぶつくだ煮」という分類しかありませんが、2.9万トンとなっています。
最後に。
佃煮で新マーケット、というのはあまり考えづらい、と思っていたのですが、ありました。
環境面から注目されている昆虫食。むかーしにはイナゴなんかは佃煮にして食べていました。それが、おしゃれに(?)復活しているのです。
2020年6月4日(虫の日)にオープンし、コオロギラーメンや旬の虫を使ったコース料理で話題となり、ヒトサラの「2020年日本のベストシェフ&レストラン100」にも選出されたANTCICADA(アントシカダ)が、コオロギの佃煮、を販売して話題になっています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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