#286 「実空間の人の流れ」と「デジタル空間における情報の流れ」のシフトを可視化してみる
感染症によって生活は急変しました。そのうちの1つは人の流れと情報の流れでしょう。そのシフトを可視化したデータがあったので、メモ。
1、どんなデータ?
今まで対面で行ってきたことがインターネット上のデジタル空間での非対面にシフトしている、という話は体感的にも、報道等でも明らかでしょう。
それを「トラフィック」という切り口で可視化したデータで、実空間、つまりリアルな移動を代表する、飛行機と鉄道の2つの「トラフィック」量と、デジタル空間、つまりインターネットの「トラフィック」量の推移を並べたものです(下図)。
「トラフィック」のシフトが一目瞭然、ですね。
出典は以下となります。
2、…気になるその後…
このグラフ、残念ながら昨年の5月までになっています。
続き、気になります。
そこで、それぞれ続きがないか調べてみました。
まず飛行機。
国土交通省の「航空輸送統計速報」(令和3年1月分)によると、
☑️ 昨年5月は60万人、前年同月比93.4%減
☑️ 昨年11月には520万人、前年同月比44.3%減
☑️ 今年1月では203万人、前年同月比75.5%減
国際線(下図)に至ってはほぼ需要が消えていることが分かります…
次に鉄道。
国土交通省の「鉄道輸送統計速報」(令和3年1月分)によると、
☑️ 昨年5月は11.7億人、前年同月比46.8%減
☑️ 昨年10月には16.7億人、前年同月比21.4%減
☑️ 今年1月には14.1億人、前年同月比32.8%減
こちらも航空と同様、秋まで回復したのにまた減少しています。
最後にネット。
先ほどのデータはJPNAPというインターネット相互接続サービスのデータでしたが、実数が読み解けなかったので、代わりに、総務省の「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計結果」(2020年11月分)のデータをみてみました。
☑️ 昨年5月は19,025Gbps、前年同月比57.4%増
☑️ 昨年11月も19,821Gbps、前年同月比56.7%増
いずれも一昨年から昨年の増加ベースを大幅に上回る増加です。
まとめると、リアルな空間での移動手段の代表である、航空、鉄道は昨年5月に急減したのち、徐々に回復していたところ、再び減少、今年に入り2番底となりつつある一方、デジタル空間での交通量は昨年に5割増となり、増加ペースを維持している、というところでしょうか。
3、まとめ(所感)
いかがでしたでしょうか?
報道などで知っている情報でしたが、改めて実数でみる機会になりました。
話題となった「FACT FULNESS」を引き合いに出すまでもなく、大量に浴びる情報、たまにはそのソースにあたってみることが大事だと思っています。
すると、ふわっとした理解であったものがクリアになったり、そもそも思わぬ誤解をしていたことに気付けたりします。
ネットで手軽に検索できますしね。
あ、デジタル空間のトラフィック、増やしてしまいました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
データの紹介でしたが何か参考になるところがあれば嬉しいです。