9月8日 セロハンテープを生んだのは「何事もやってみる」精神!
普段の仕事を離れた、翌日にちなんだ過去の出来事をネタに「頭の体操」。
そこから問いや興味を広げたり、抽象度を上げて他への応用を考えてみたり…
さまざまな「頭の体操」に活用ください!
体操のための質問例はこちら。
1930年のこの日、3Mがセロハンテープを発売した日です。
セロハンテープについて調べていたところ、ニットーさんの「テープの歴史館」に紹介されていた開発経緯が興味深いものでしたのでご紹介します。
実は、セロハン(初めての透明フィルム状の素材)は1908年に開発されていました。当時からセロハンを接着するために透明な粘着テープのニーズがあったそうです(紙や布の粘着テープは存在していた)。
普通に考えれば、セロハンにノリをつければ完成!となりそうですが、当時の人々は「粘着テープにするには、裏面は糊がつきやすく、表面は糊がつかないようなセロハンを作らなければ無理」と考えたようで、誰も開発しなかったそうです。
まぁ、言われてみれば、確かになんでセロハンテープって、ノリの部分剥がれないでくっついてくるんでしょうね…
そんな中、3Mのリチャード・G・ドルーさんが防水性のある粘着テープを開発する中で、セロハンを粘着テープにすることを思い付きます。つまり、透明であることではなく、防水性に着目してセロハンを選んだのです。
ともかく何事も実行してみる主義である彼はセロハンに粘着剤を塗り、それをもう一枚のセロハンに貼り付け、それを引っ張って剥がしたところ、予想に反して粘着剤はついたまま剥がれたのです!
実はこのドルーさん、セロハンテープの他にマスキングテープも開発した人だそうで、さぞかしバリバリの研究者なのかと思いきや、「バンジョーを弾いて学資をかせぎながら勉強を続けて」いた人物だったのです。
しかも、3Mに入社して最初の仕事の一つは、サンドペーパーの試作品を持って自動車の工場をまわること、だったそうです。そこで自動車の塗装の塗り分けに苦労している人たちをみて、何とかしてあげようと試行錯誤して開発したのがマスキングテープ、だったそうです。
有力な発明や発見には「セレンディピティ」が必要だ、とはよく言われますが、「とにかくやってみた」結果として、ということがよく分かる事例だと感じました。
頭の体操となるネタがあれば幸いです。
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