会話体俳句『雪嶺』 近詠18句
会話体俳句
『雪嶺』
近詠18句
雪嶺は果たしてそらのものでした
白鳥が輪のまんなかをおよぎます
凍滝をさかのぼる目はそらを得た
輪郭をなくしてあるきます枯れ野
目の端へふってはきえる雪でした
行くみちはかならずわかれ寒晴だ
象徴が羽ばたきませんふゆのはと
終末時計雪舞いだしたではないか
ふゆのなみいま北斎のおおなみか
死もいち羽うかんでいます浮寝鳥
生き死にが暮れはじめます浜千鳥
寒たまご落として宇宙ひろがった
かんちがいしていたここは鶴の星
見ています見つづけてきた寒夕焼
待ちあわせ白息でしかありません
寒む寒むと社会にきえて行く黙だ
飛び石が庭に浮きますふゆのあめ
ひとりともる祈りのように寒燈だ
◇作品集◇
文語体俳句、口語体俳句、会話体俳句
の3つ方向性を
順次探究しています
◯文語体俳句
古典語・歴史的仮名遣い・古典的切れ字を基本にした俳句
◯口語体俳句
現代語・現代仮名遣い・現代的切れ字を基本にした俳句
◯会話体俳句
現代の話し言葉のリズムやフレーズ、対話、独話、セリフ等を活かした句
などに個人的に大まかに分けて取り組んでいます
いつも
ご覧いただき
ありがとうございます
*これらの作品はジャンルをこえた季節の詩としても楽しんでみてください
*俳句については、個人・団体によって様々な考え方や見解があります
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