口語体短歌 15首 〜季節の短歌集〜
口語体短歌
2019年頃の作品
ひまわりがひまわりらしく立っている
そんな地球が誇らしいこと
たいせつな人だけそばにそのほかの
ひとは舞いとぶ蛍のように
生い立ちは生いたちとしてひとりずつ
しずかに燃やす線香花火
ひと吹きであらわれる人とおい日が
瓶にのこったままの香水
あおぎ見てすべてなんとかなるような
そんな気がするゆうぞらの虹
てのひらに貝がらというおくりもの
大きな夏の海に愛され
男らは笑ってだまっていればいい
空がこんなにたかい秋には
ふるさとが送られてきたどっしりと
笑うほかにはないほどの柿
一滴のしずくは川へ海ばらへ
雲になったらそこが秋天
風わたる広大な田に立つ案山子
敵もいないし味方もいない
ふるさとは小さくいえば灯の家で
大きくいえば星の銀河で
休日のじぶんのためのコーヒーが
湯気たててもう十一月か
うまれきてたまたま子ども
うまれきてたまたま子犬冬虹の空
恋をして家族になって聖樹仰ぐ
いつもはじめに言葉があった
生きてきた日々がしずかに舞いふぶく
それでよいかもしれない花見
*2019年ごろにつくった短歌の一部です
*スマホのメモアプリのなかに残っていたものをまとめなおしました
*noteに当時投稿した作品もふくまれています