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文語俳句『雪』 近詠15句

文語俳句
『雪』
近詠15句

着膨きぶくれてうごきなき河みてゐたり


雪催ひゆきもよいまづひとひらを待ちにけり


綿虫わたむしや伸べてさびしきたなごころ


白鳥やねむるすがたもうつくしき


火のなかに火のくづるるや落葉焚おちばたき


舞ふはなのごとくにゆきや弥勒仏みろくぶつ


玉子雑炊さちのいろしてをりにけり


ひとつの背追ふあまたの背くじらかな


ことごとくそよがぬ草や大地


手のじゆうじざいなる藁仕事わらしごとかな


冬蜂のとびいづる巣やおほひなた


かんゆふやけまづ交番をそめにけり


背後より歓声スピードスケートや


ひとすくひするたび湯気や葱雑炊ねぎぞうすい


落葉松からまつ幾千代いくちよもゆきふりにけり


◇文語俳句集◇


文語体俳句、口語体俳句、会話体俳句
の3つ方向性を
順次探究しています


◯文語体俳句
古典語・歴史的仮名遣い・古典的切れ字を基本にした俳句

◯口語体俳句
現代語・現代仮名遣い・現代的切れ字を基本にした俳句

◯会話体俳句
現代の話し言葉のリズムやフレーズ、対話、独話、セリフ等を活かした句

などに個人的に大まかに分けて取り組んでいます


いつも
ご覧いただき
ありがとうございます


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