『午后のあくび 3』読書感想文
このシリーズは1も2も読んでいますが、この3巻で終わると知り、慌てて取り寄せ読んでみました。
これは主人公のあわこさんが住む素敵な町、白玉町のお話です。
1と2を読んだ時にも、白玉町に住んでいる人たちの暮らしぶりに惹かれて、読むほどに癒されましたが今回は自分が今いる環境の違いからなのか、登場するアイテムの一つひとつに愛着が湧いたというか、丁寧に味わえたというか…。
2巻を読んだのは4年前でしたが、当時の毎日はストレスも多く気持ちがヘトヘトに疲弊していました。
だから、『午后のあくび』の白玉町は、格好の現実逃避の場になりました。
でも今は、当時と比べて毎日の時間の流れは、ゆっくりです。今日できなかったことは明日やればいいのだし、明日できなければ、また別の日にすることもできるのです。
初っ端の「floral pen」のガラスペンを見て、「いいなぁ!こんなペン、欲しいなぁ〜!」って、お話の中のペンなのに、まるで現実に存在してるかの如く思った時、読む側の気持ちの穏やかさで、こうも深く作品の世界観を楽しめるんだと正直驚きました。
それから先も心ゆくまであわこさんと一緒に白玉町の素晴らしさに浸れました。
作者のコマツシンヤさんは、どうしてこんなに不思議な世界観を展開できるのだろう。
子どもの心を持ったまま、大人になったとしか思えないくらい夢が溢れています。
白玉町の住人は、みな心優しい人ばかりです。
シリーズが最終巻になってしまったのは残念だけどページを開けばいつだって、白玉町の住人の気分を味わえるんですよね。
あわこさんたちに会いたくなったら、またいつか再読しようと思います。
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