3行日記 #130（イヤホン、黄色のレインコート、パジャマ）
一月三十一日（水）、くもり時々雨
大寒、鶏始乳、にわとりはじめてとやにつく。
大寒、薺生雪下、なずなせっかにおゆ。ナズナが雪の下から生えてきた。
夕方、時計の表示がときおり変な時刻を示していたおやかまっさんの前を通ると、調整中の張り紙が消え、デジタル時計が消されていた。修理されるのだろうか。商店街を歩いていたら、前を歩く女の子が、紐のイヤホンをヌンチャクのようにぐるぐる回している。最近はワイヤレスイヤホンをしたまま生活している人が多いなか、昔のイヤホンを使っているのに、なんだか感心した。するとその子が片手をあげる。彼氏との待ちあわせのようだ。スーパーで鶏むね肉を買った。
夜、野菜炒め、八朔。八朔おいしい。柑橘系オブザイヤー。チャックの散歩、家をでるとまあまあ雨が降っている。チャックは玄関の引き戸を開けて雨の具合を見たとたん、足が動かなくなり外にでるのをためらっていた。黄色いレインコートを着せて出発。体の両脇には骨のかたちの反射材があり、そこにちいさなポケットがついている。近鉄のガード下へ。しばらく行くと、チャックが太い柱の裏へと回り込んだ。と、そこには、野良猫のごはんなのか、ペットフードの山があった。ちゃっかり何個かかぶりついてしまった。そのままガード下を往復して帰った。
家に戻ると妻が、新しく買ったパジャマを見せてくれた。隙間なくびっしりと犬の絵が描かれていた。