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『別冊NHK100分de名著 宗教とは何か』釈徹宗・最相葉月・片山杜秀・中島岳志(2024・NHK出版)

4章構成。


1.『予言がはずれるとき』フェスティンガーほか

さて、グループのメンバーたちはミーティングを重ねる中で「12月21日に大洪水が起こるけれど、自分たちは迎えにきた空飛ぶ円盤に救われ、違う惑星に連れて行ってもらえる」と信じるようになりました。

※グループ=観察対象とされた『世界的大災害の予言を信じるグループ』のこと

自分たちがUFOによって救われた後、他の人たちがどうなるのかにもそれほど関心はなく、「魂のランクに応じて別の星に連れていかれるのだろう」くらいに考えていたようです。

「予言を信じる自分たちだけは助けてもらえる」
「魂のランク」

なんだかとっても選民風味。
先日読んだよしりん先生の『オウム的!』を思い出さずにはいられません。

スピリチュアルな能力や体験は、自分を『常人とは一線を画した特別な何者か』にしてくれる。

ーーーというアレです。
もう、これが正解ってことでいーんじゃないか。よしりんしか勝たん。

そして結局、予言は外れる。
が、しかし。
趣味のサークルはこの後、バリバリの宗教団体へと成長を遂げたのだそう。


2.『ニコライの日記』ニコライ

そもそもキリスト教では、神を手本とし、より善き存在へと人格を陶冶していくこと、すなわち、神に倣う心のありようを霊性としてきました。

こういうこと書くと「なんつー横着さかッ!」とか怒られそうだけど、私はこれを神に頼らず自分でやりたい。そのほうが圧倒的に面白いからです!ゆえに全然間に合ってる(ピンポン活動、我が家にはぜひご遠慮ください。できればでいんですけども)

宗教って、「必要な人」もいれば「不必要な人」もいる。布教するのは自由だが、それに応じないのもまた自由。どっちの側にも同じだけの権利を認めてもらいたいもんです。


3.『大義』杉本五郎

日中戦争が始まったとき、日本人は軍人も政治家も長引かずにすぐ終わると思いました。ところがちっとも終わらない。相手がそれなりに強い上に、戦地がとてつもなく広大だからです。日清戦争は九ヶ月で終わり、日露戦争はそれと比べればかなり厳しかったものの一年半で終わりましたが、今度はますますかってがちがうようだ。これまで日本人が体験してきた近代の戦争の規模を大きく突き抜けてゆく。西洋列強が第一次世界大戦で経験済みの、まさに総力戦時代の長期戦争の様相を日に日に呈してくる。しかも相手が増えてくるのです。戦争の内容もエスカレートしてゆく。ついには対米英戦争に連動してゆきます。国民全員が、軍隊に入らされたり、戦死したり、戦傷を負ったり、空襲に遭って家財を亡くしたり、大切な家族を喪ったり、結局、最後は世界中を敵に回して原爆まで落ちてくるに至るのです。
そうなると戦争から逃れて生きることがほとんど不可能になります。死が誰にも覆いかぶさってくる。いかに生きるべきかがいかに死するべきかと切り離せなくなってしまう。みんなが死を織り込む生き方を考えざるを得なくなる。どう考えたら、目前かもしれない死から目を背けずにそれを受け入れることができるかと試行錯誤し始める。いつだって死のことを思っている人はたくさんいるのが世の中ですが、その多寡の程度がすっかり変わってしまうのです。
そんな時代に『大義』は多くの日本人の心に突き刺さってしまいました。生を捨て、大義に殉じて死ぬことをよしとできる精神を培うための究極の教科書として、国民がかなり自主的によむようになったのです。杉本はあくまで軍内の将校教育のために『大義』を執筆しました。特に前線で陣頭指揮する将校は戦死率も高いですから『大義」が死を強調するのも当然と言えますが、その本が銃後の一般国民にまで響くようになったのは、まさに時代のエスカレーションのなせる業でしょう。

ハッ・・・・今、新興宗教の教義をいっこ思いついたぞ!笑
ホントに新規なモノかどーか、今度(気が向いたら)調べてみよ!


4.『深い河』遠藤周作

キリスト教の他宗教に対する態度

1.排他主義
2.包括主義
3.多元主義

これ、よっつめもあると思う!
私はよっつめ推し!


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